依依恋恋 | ナノ
「この子が例の?」
「んそ、恵を治してくれたらしい」
「らしいって五条、お前は見てないのか」
「まぁ会ったのさっきだし。棘はどうしたの?」
「ゴンブ、、、」
実験室のような、保健室のような所に
綺麗な女性と口元まで隠れる黒い服を着た男の子が居た
何か言っているが声がとても渇れている様に聞こえる
「なるほど、丁度いいや」
「「??」」
「この子は狗巻棘、呪言師だよ。簡単に言うと言葉に呪いを乗せて攻撃出来るから、意味のある言葉を使わないように普段はおにぎりの具で会話してるんだけど、術式的に喉を傷めやすくてね、君に喉を治してみてほしいんだけど、出来るかな?」
「やってみます、、、」
今まで目に見える傷しか治したことがなくて
出来るかわからないけど座っている狗巻さんの隣に座る
すると彼が服のジップを下げて喉元を見せてくれる
「失礼します」
「、、、!!」
「へーえ」
そっと狗巻さんの喉元に手を当てる
「ツナマヨ!」
「、、、マリンは温かい呪力を使うね」
「他者に反転術式が使える人間が増えるのは心強いよ」
狗巻さんが嬉しそうに声を出すと
五条さんと硝子さんも私に笑いかけてくれる
五条さんは目元が見えないけど
「マリンは硝子と高専に居ることが多くなると思うけど、高専に入ったらある程度呪術の知識をつけてもらう為に現場にも連れて行こうと思う」
「はい」
「その時は必ず2級以上の術師、恵とか棘と一緒になると思うから」
「明太子」
「よ、よろしくお願いします?」
口元を服で隠した狗巻さんににっこり微笑まれる
ここは目や口を隠してる人が多いけど何か理由があるのかな
「来年から棘はマリンの先輩になるからね」
「シャケ!」
施設から運ばれてきた少ない荷物を寮の部屋に広げて
残りの中学校生活は伏黒君と同じ埼玉県の中学校に通った
登下校は高専の方に車で送迎して頂いてるし
中3の冬に転入なんてほぼほぼ関わる期間が無いようなものなのに
同じクラスになった子達は皆優しかった
硝子さんの元で軽く呪術界に関する基礎知識を教わりながらお手伝いをして生活していると
あっと言う間に3月になり中学を卒業した
伏黒君も寮に住むようになって本格的に高専生としての生活が始まる
3
【CLAP】
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