依依恋恋 | ナノ




「、、、宮内に頼んでみて良かったでしょ」


「、、、、、結果論だろ」


「もう少し嬉しそうにしなさいよ」



歌姫先生と与先輩のやり取りを口を開けたまま見つめていると


浴槽からゆっくりと出て私の前にしゃがむ与先輩



「、、、、ありがとう」


「あっ、いえ、、、違和感は無いですか?」


「あぁ。"生えてきた"時は激痛だったが、元から有ったみたいにどこも痛まない」


「良かったです」



はらりと顔の包帯が解け、初めて見る与先輩の顔は酷く優しく微笑んでいて


右腕の感触を確かめるように手を動かした後
私の頭の後ろに手を回ししゃがんだまま抱きしめられてしまった



「オマエのおかげで歩けるし、人を抱きしめる事も出来る、、、感謝してもしきれない」


「そっそんな、、、」


「ほーら、まずアンタは服着なさい」


「「!!」」



歌姫先生の言葉にハッと2人で目を合わせると


与先輩の身体に巻かれていた包帯がハラハラと解けていくのが視界に入った



「きゃっ」


「、、、オマエになら見られてもよかったんだけどな」


「私にはガッツリ見えてんのよ!服着ろ!!」



身体が離される前咄嗟に目を両手で覆ったので
先輩の全身は視界に入らなかったけど 


ほぼ裸の人に抱きしめられていたと考えてしまって顔に熱が集まる



「はぁ、、、というか宮内。アンタのそれって本当に反転術式なの?」


「わ、わからないです、、、」



何だか恥ずかしくて服を着た与先輩の方をあまり見れずにいると
半分呆れたような歌姫先生に自分でもわからない事を聞かれてしまった


私に限らず五条先生や硝子さんも今まで反転術式だと思い、人の治療をしてきたけど


硝子さんと違って寿命を使用する私の術式は
もしかしたら反転術式とはまた違うものだったのかもしれない


宿儺はどこまで知ってるんだろ、、、



「ま、悪い術式では無いから今考えるのはやめとくか、、、本当にありがとうね宮内」


「ありがとう」


「いえ、、、良かったです。もし不調が現れたりしたらまた呼んでくださいね」


「、、、もう帰るのか?」


「一泊くらいしてったら?京都校の空き部屋で寝ればタダだし」


「えっ、でも、、、」



交流会で会った京都校の面々を思い出す


虎杖君を気に入った後の東堂先輩や
手当をした後の加茂先輩を除いた女性陣が少し怖い
水色の髪の、確か三輪先輩は優しそうな雰囲気だったけど、、、



「、、、任務に行っていて居ない奴も居るだろう。高専内で必ず会う訳でもないし気にせず寛いで行け」






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