依依恋恋 | ナノ
1人で新幹線に乗るのは初めてだ
交流会から数日が経ち
皆任務で不在の中私は任務では無く個人的に歌姫先生に京都へ呼ばれたので
2級以上の呪術師どころか補助監督さんも同行しない
歌姫先生に頂いた新幹線の切符は窓側の指定席でボーっとできそうだったけど
目的の京都を寝過ごしてしまうのが怖くてこまめに車内放送と電光掲示板に意識を向けて
少し気疲れしてしまった
「おー、悪かったわね遠路遥々」
「おはようございます歌姫先生。切符ありがとうございました!」
「私が頼んだんだしこれくらいはさせなさいよ」
「で、でも"治せる"かわからないのに、、、」
今日はメカ丸先輩こと与幸吉先輩の身体を治せないか診て欲しいとの事で京都に呼ばれた
与先輩は天与呪縛として不自由な肉体の代わりに高い呪力を得たらしい
基本反転術式では先天的な傷病は治療出来ないが
先日私が呪骸であるパンダ先輩を治癒した事を知り
歌姫先生はもしかしたらと考えたらしい
「まぁ試して欲しいってだけだから、そんなに気負わなくて大丈夫よ」
そう言う歌姫先生に連れられて来たのは京都校ではなく
人気の無い建物だった
薄暗い建物の地下に案内されたので
少々不安になる
「、、、アンタも大変ね、五条に気に入られて」
「五条先生ですか?」
「ずぅーーーーっとアンタの話しされるわ、京都に来て貰うって話したらキレられるわで大変だったのよ。1日だけだつってんのに」
「そ、そうだったんですね、、、私1人で遠出とかした事なかったので心配してくれたのかもしれません」
「、、、首突っ込むとろくな事無いだろうしそういう事にしとくかぁ」
歌姫先生に納得してなさそうなジトっとした目で見られてしまい
少しだけ気まずくなる
交流会では五条先生や京都校の人達と話しているのを見ていただけで
今回の依頼も五条先生を通じて受けて
ほぼ初対面みたいなものだからどうしたら良いかわからない、、、
「ここよ」
「っ!!」
地下の更に薄暗い場所の扉を開いて歌姫先生が室内に入って行く
続いて入れば湿気と薬品の匂いが広がり
薄く室内を照らすライトが中央にある浴槽のような物を浮かび上がらせていた
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【CLAP】
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