依依恋恋 | ナノ




「、、、まぁ強いて言えば」


「?」


「俺以外の奴とこういう事するな」


「?野薔薇ちゃんとも?」


「あー、、、釘崎はギリ、、、いい」



そっと身体を離しながらそう話す伏黒君は
何だか複雑そうな顔をしていたので
真希さんや虎杖君は?とは聞けなかった



「うん、気をつけるね」


「あぁ」



やっぱり子供みたいに甘えるのは恥ずかしい事だし
他の人も反応に困っていたのかもしれない、、、


皆優しいから気にせず安心させてくれていたけど
人それぞれ感じ方やリラックス方法は違うから気をつけようと思い
伏黒君を見上げるとまた目を逸らされてしまった



「その、、、、今日は大丈夫なのか?」


「?大丈夫だよ?」


「そうじゃなくてその、1人で眠れそうか?」


「あっ!うん、今日は皆と違って見てただけなのに、さっきお風呂入ってたら眠くなっちゃって、、、だから大丈夫だよ、ありがとう!」


「そうか、、、来させてごめん」


「気にしないで!いつも私の方が色々して貰ってるし、伏黒君に何かあったのかもって思ってたから、、、本当に大丈夫?」


「あぁ、その、ほんとに抱きしめたかっただけだから、、、」


「ならいいんだけど、何かあったらいつでも話してね?」


「あぁ、そうする」



伏黒君にそっと手を握られてまたドキドキしてしまう


伏黒君はとても優しい


東京校にいる人は皆優しいけど


その中でも特に優しいと思う


きっと高専に誘った責任感から親鳥のように面倒を見てくれているだけなのかもしれない


でもそんな伏黒君に甘えてしまって
その甘えてしまっている私すらも受け入れてくれるから


伏黒君は優しい



「ドアまでで良いよ?」


「いや、部屋まで送る」


「そしたら私、部屋に戻る伏黒君を送るよ?」


「、、、ちゃんと部屋で寝ろよ」


「ふふ、うん。ありがとう」



私が本気なのが伝わったのか
ため息をつきながら伏黒君が折れてくれた


手を繋いだまま扉の方へ一緒に行くと


まるで名残惜しむかのようにゆっくりと手を離し
扉を開けてくれる伏黒君



「ありがとう。おやすみなさい」


「あぁ、おやすみ」



伏黒君の部屋をそっと出て
ゆっくり扉を閉める伏黒君に手を振ってから


音を立てないように廊下を歩く


始まる前から色々あったけど


あっと言う間に交流会が終わってしまった


団体戦はトラブルがあったし
個人戦が無くなって野球になってしまったけど


ちゃんと真希さんを評価して貰えるかな


真希さんだけでなく虎杖君も
全力で戦った東京校の皆がちゃんと評価して貰えると良いな


交流会の前より先輩達とも伏黒君達とも仲良くなれた気がする


そんなかけがえの無い存在とこれからもずっと一緒に居たい






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