依依恋恋 | ナノ





「伏黒君、着いてきてくれてありがとう。京都校に誘われると思ってなかったし、話した事ない先輩だから心強かったよ」


「いや、、、宮内」


「うん?」


「もし、俺じゃなくて加茂さんとか五条先生が最初に声かけてたら、、、悪い、何でもねぇ」


「、、、もしかしたらの事はわからないけど、私と出会って高専に誘ってくれたのは伏黒君だよ。そのおかげで色んな人に出会えて、前と比べられないくらい毎日が楽しいんだ。だからたまたまでもあの日、任務で千葉に来てくれてありがとう」



伏黒君が途中で言うのをやめてしまったから
何を聞きたかったのかわかってあげられなかったかもしれないけど


私が今ここに居て、前よりも普通の生活が出来ているのは伏黒君のおかげ以外の何物でもないから
伏黒君には感謝してもしきれない



「、、、宮内」


「なぁに伏黒君」



そっと私の手を持ち上げて正面から私と目を合わせる伏黒君



「その、抱きしめても、、、いいか?」


「えっ?あっ、、、あの、、、ここだとちょっと、恥ずかしい、です、、、」



予想外の事を言われてしまって心拍数が上がる


先生や先輩達は移動してしまったけど
野薔薇ちゃんと虎杖君はまだ東京校側のベンチに居るので
何だか見られてはいけない気がして断ってしまった



「、、、後で俺の部屋ならいいか?」


「う、うん」


「、、、じゃあそれで」


「連絡してから行くね」


「あぁ、待ってる」



きっと顔が赤くなってしまっているし
繋がれた手から私の心拍数が伏黒君にバレてしまいそうで
ドキドキが止まらないのに


伏黒君は私と手を繋いだまま皆の元に歩き出してしまった


これじゃ皆の前で抱きしめられてしまうのと変わらないんじゃ、、、



「、、、何で手繋いでんの?」


「オイ伏黒、マリンに何した」


「、、、何でもいいだろ」



伏黒君が2人に誤解を招いてしまうような言い方をしたので
きっと心配してくれた野薔薇ちゃんと虎杖君に手を離された


4人で寮に向かう間野薔薇ちゃんと虎杖君は怒っていたけど
伏黒君はそんな2人の言葉を軽く流すから少し火に油を注いでしまっている気がする



「マリンアンタこのムッツリに何されたの!?」


「なっ、何もされてないよ!」


「宮内、嫌な事は嫌って言った方がいいよ!」


「嫌な事はされてないよ!」


「、、、何かされたのね」
「、、、何かされたんだな」


「ち、違うの!!」



何かあったわけではないし細かく説明もしづらいので
2人を納得させるのにだいぶ手こずってしまった





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