依依恋恋 | ナノ





「加茂先輩お疲れ様です。治療しますね」


「あぁ、よろしく頼むよ」



野球も終わり着替える前に加茂先輩に声をかけに行くと
一緒に来てくれた伏黒君をチラリと見た後に笑いながらベンチに座ってくれた



「失礼します」


「、、、、」



座ってくれたので包帯が巻かれている頭に手がかざしやすかった



「、、、宮内さんは京都校に来る気はないかい?」


「えっ?」


「ちょっ、加茂さん!!」



治療が終わり手を離すと
確かめるようにそっと頭の包帯を外す加茂先輩



「京都校には固定の反転術師が居ないが呪霊の質が高い。きっと宮内さんも経験が積めると思うんだけど、どうだろう?」


「、、、、」



きっと私の為を思って言ってくれてるんだと思う


それに京都校の人も反転術式を満足に受けられて居ないのかもしれないから
私は京都校に行った方がいいのかもしれない


沢山の人を助けたいし力になりたい
でも今はまだ、大事な人達の側に居たい



「、、、ただの我が儘なんですけど、私は東京校に居たいです」


「、、、そうか。ただ聞いただけだから気にしなくていいよ。治療ありがとう」


「いっ、いえ」



本当に聞いただけだったのか
特に食い下がることなく立ち上がる加茂先輩



「治して貰ったお礼と言ってはなんだが、もし困ったことがあったらいつでも頼ってほしい。これ、私の連絡先だから」


「ありがとうございます、、、」


「じゃあ宮内さん、伏黒君もまたね」


「お疲れ様でした、お気をつけて」


「、、、、」



LINEのIDらしき物が書かれた紙を受取って見送り


しばらく無言だった伏黒君を見上げる





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