依依恋恋 | ナノ





ん?


皆で声のした方を見ると


いつの間にか近くに東堂先輩が座っていた


何処から椅子を持ってきたんだろ、、、



「っ!」


「何処へ行くブラザー!!」


「感謝はしてる!!でも勘弁してくれ!!あの時俺は正気じゃなかった!!」


「何を言っている!!ブラザーは中学の時からあんな感じだ!!」


「俺はオマエと同中じゃねぇ!!!」



凄い速さで窓から出て行った虎杖君を東堂先輩が追っていく


離れて行く会話を聞きながら2人に何があったのか気になるけど


野薔薇ちゃんと伏黒君の表情が微妙そうだったので聞かずに黙っておくことにした


後で虎杖君に聞こうかな

 

「、、、さて、ゴリラ2人が戻ってくる前に帰ろうかしら。マリンもそれ食べ終わったら帰るのよ」


「うん」



ピザを食べ終わった野薔薇ちゃんは伏黒君の部屋から出て行ってしまった


私はまだ食べかけのをお皿に置いて


伏黒君も狭いだろうし野薔薇ちゃんの座っていた椅子に移動しようとしたら


手を掴まれてしまった



「無事で良かった」


「うん、伏黒君も大事なくて良かったよ」


「、、、俺の前では無理に笑わなくて良い」


「えっ?」


「入ってきた時から宮内、辛そうだぞ」


「、、、ごめんね、思い出さないようにしてたんだけど隠せてなかったかも、、、心配かけちゃってごめ」


「謝んな」


「っ、」



掴まれていた手を引かれて


倒れ込むようにベッドに座ってる伏黒君に抱きしめられる



「辛かったら辛いって、しんどかったらしんどいって言ってくれ、、、言葉にするのが難しくても俺の前では無理しないでくれ」



伏黒君の優しさに


自然と涙が溢れてきてしまう



「で、でもっ、伏黒君も忙しいのに」


「宮内が辛い時に頼ってもらえない方が俺は嫌だ。夜寝れないとか、任務行くのが怖いとか何でもいいからいつでも言って欲しい」


「ほんとに、、、?面倒だったり大変じゃない?」


「そこまでヤワじゃねぇし、宮内に頼られる方が、俺は、嬉しい、、、」



そっと身体が離されるも距離が近い事は変わらず


少し顔の赤い伏黒君が視線を逸らす


そんな伏黒君を見て私も顔が熱くなり


ドキドキと自分の心臓が早まるのを感じる






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