依依恋恋 | ナノ





「つーかアンタいつの間にあのゴリラと仲良くなったのよ」


「ゴリラ?」



野薔薇ちゃんが反対側に座る虎杖君に身体を乗り出しながらそう聞くので


誰のことだろうと聞き返すと伏黒君がこちらを向いてくれた



「東堂の事だろ」


「おー、、、いや、仲良くなったっつーか、記憶はあんだけどあの時は俺が俺じゃなかったというか」


「何アンタ酔ってたの?」


「釘崎は俺があの状況で酒を飲みかねないと思ってるの?ショックなんだけど、、、」


「でもまぁ宮内も伏黒も無事で良かったよ」


「軽く聞いたけど特級呪霊二体に会ったんでしょ?」


「、、、うん」



なるべく笑顔を崩さないように野薔薇ちゃんに答える


目が覚めてから思い出さないようにしていたけど


突然現れた特級呪霊の攻撃を受けたことと


ツギハギ顔の呪霊に会った時を思い出して恐怖が蘇ってくる


虎杖君や七海さんの話を聞いた上犠牲になった方の遺体を見てはいたけど


いざ亡くなって時間が経っていない、もしかしたら助けられたかもしれない人を目にし


人間の私が理解できる会話可能な呪霊に殺されそうになったのは初めてだった



「虎杖」


「ん?」


「オマエ、強くなったんだな」



じっと私を見ていた伏黒君には気づかれてしまったのか


伏黒君が話題を変えてくれた



「あの時俺達それぞれの真実が正しいと言ったな、その通りだと思う。逆に言えば俺達は2人共間違ってる」


「答えがない問題もあんでしょ、考えすぎ。ハゲるわよ」



きっと虎杖君が亡くなった時の話をしているのかな


真剣な表情で話す伏黒君に野薔薇ちゃんもピザを食べる手を止めた



「そうだ答えなんかない。あとは自分が納得できるかどうかだ。我を通さずに納得なんてできねぇだろ。弱い術師は我を通せない」



伏黒君がゆっくりと虎杖君の方を向く



「俺も強くなる。すぐに追い越すぞ」


「ハハッ」


「私達抜きで話進めてんじゃねーよ」


「それでこそブラザーの友達だな」





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