依依恋恋 | ナノ




「うっ!!」



咄嗟に受け身を取るも経験の無い飛距離と建物への衝撃で上手く息ができない



「はっ、、、はっ、、、あ、、、」



お腹を抑えて必死に息をしようとすると


手にドロリとした感触がして


見ると血が出ていた


きっと弾き飛ばされる時にあの木のような物が刺さったんだ


ハッと空を見上げると少し先で帳が下りるのが見えた


高専内なのに、、、


息を整えながら全身に呪力を流す


なんとか自己治療し終わり立ち上がると


傷も体力も治ったはずなのに脚がガクガクと震えていた


今まで怪我を治してきた術師の皆はこうやって戦っているんだ


一歩間違えれば死ぬ世界で


わかっていたはずなのにいざ体験すると怖いなんて言葉じゃ足りなくて


さっきまで一緒に居た狗巻先輩はどうなったのか心配になる


突然現れた呪霊は『力の無いものは下がりなさい』と言っていた


きっと私を邪魔だと思ったんだ


でも狗巻先輩は?


最後焦った顔で私を見上げていた狗巻先輩は無事だろうか



「えっ?」



私が打ち付けられた建物沿いを歩いていると


入口の近くに数人倒れていた


異型の



「あ、あああのっ」



恐る恐る近寄るも生気を感じない、脈もない


七海さんの報告書で読み硝子さんの研究室で見た


ツギハギ顔の呪霊による術式


まだ誰か生きている人が居るかもしれない、、、






4


【CLAP】
 【依依恋恋TOP】 



×
- ナノ -