依依恋恋 | ナノ




「これは呪術界の為であり何より宮内さんの為でもある。京都校には固定の反転術師が居ないから経験が積める。そして私は宮内さんを加茂家へ迎え入れようと思っているよ」


「は?」


「御三家でも呪力の弱い人間が産まれてくる。最近だと禪院家の真依達のようにね。優秀な術師が産まれる波が激しい。私達の世代で一度優秀な術師同士の子を作らないといつか日本呪術界での御三家の均衡が崩れる」


「家の立場を守るために利用しようって言うんですか?それが宮内である必要はないでしょ」


「私が宮内さんを選んだのは単純に好みの問題だよ。見た目もそうだが会ってみたら従順そうで可愛らしい。それに宮内さんも"加茂家からの後ろ盾"があった方がこの呪術界では生きやすいだろう」


「わざわざアンタのモノにならなくても五条先生が守ってくれますよ」


「、、、現呪術界最強であるが故大抵の事は押し通されているが、普段の言動や君が"伏黒"である事、生徒二人の死刑を無理矢理延期させた事を御三家を始め上層部は良く思っていない。五条悟が居ない時、虎杖のように宮内さんが消されない可能性は0ではない」


「、、、、」



加茂さんの言う通りだ


五条先生は俺達を守る為に上とよく揉めている


前回少年院で虎杖が殺された前例がある以上


今後俺達に何も起こらない確証はない



「君も宮内さんに気があると思ったんだが、守ってあげないのかい?君の考えが正しいと思うのであれば禪院家の力で彼女を守ればいい」


「俺にはもう禪院家との繋がりがありません。それに俺は自分のこと『正しい』なんて思ってないです、、、いやスミマセン違いますね、俺は自分が正しいとか間違ってるとかどうでもいいんです」



宮内も虎杖も俺の恩人であり善人だ


しかも宮内に関しては俺がこの呪術界に連れ出した


その結果俺もそうだが沢山の人が助けられてる



「ただ俺は自分の良心を信じてる。自分の良心に従って人を助ける。それを否定されたら後は」



そんな宮内が他人の立場を守る為なんてくだらない理由で不合理な扱いをさせられるなら


俺は全力でそれを止めたい


虎杖がまた殺されるのも嫌だ


全て俺の私情だが相手も相手の私情を押し付けようとしてるんだ



「呪い合うしかないですよね」


「!!」






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