依依恋恋 | ナノ





「いくら!」


「バウッ」


「あれ、この子は伏黒君の、、、」



狗巻先輩が突然足の動きを緩めたので私も立ち止まると


何処からか伏黒君の式神である黒い犬がやってきた



「1人で索敵してくれてたんですかね?」


「しゃけ」



近寄ってきたのでつい首元を撫でると


式神とは言え犬ではあるのか、気持ちよさそうにしてくれて癒やされてしまう



「あっ、そうだ狗巻先輩」


「いくら?」


「あの、前もって私の呪力を少しだけ狗巻先輩の喉に流しておきたいんですけど駄目ですか?軽く呪言の反動から保護出来るかもしれなくて、、、」



七海さんの話していた事が本当なら


以前七海さんの魂に少しだけ多く私の呪力を流しておいたように


狗巻先輩の喉にも前もって少し流しておけば呪言によるダメージも和らげる事が出来るかもしれないと思う


ただ実際どうだったのかを私は見ていないので確証はない、、、



「しゃけ!」


「い、いいんですか?」


「明太子!」



少しも悩むこと無く笑って即答され驚くと


笑顔のまま口元のチャックを下ろし喉を見せてくれる狗巻先輩



「ありがとうございます、失礼しますね」


「、、、、」



そっと手で触れて少しずつ少しずつ


内側をカバーするようなイメージで呪力を流す


スッと目を細めて心地良さそうな顔で見つめられて少しドキドキする



「違和感は無いですか?」


「ツナマヨ!」


「良かったです!」



上手く呪力を流せたみたいで安心した






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