依依恋恋 | ナノ




開始の時間が近づいた為スタート地点に移動した


真希さんと野薔薇ちゃんの会話を静かに聞いていた伏黒君が虎杖君に声をかける



「虎杖。大丈夫か?」


「おーっ。なんか大役っぽいけどなんとかなんべ」


「そうじゃねぇ。何かあったろ」



2人の会話が聞こえて思わずハッとする


虎杖君は皆の前で明るい"いつもの虎杖君"なのに


虎杖君が皆の前に居なかった間の話を知らないはずの伏黒君が気づくなんて


友達の些細な表情の変化や異変に気付ける伏黒君はとても優しいと思う


でもきっと虎杖君の心の傷はまだ癒えていないだろうし、これからも残り続けるだろうに


虎杖君は少し無理してそうな笑顔を伏黒君に向けた



「あ?なんもねーよ」


「、、、、」


「、、、あった。けど大丈夫なのは本当だよ。宮内にも助けられたし、むしろそのおかげで誰にも負けたくねーんだわ」


「、、、ならいい。俺も、割と負けたくない」


「!!」


「何が割とよ一度ぶっ転がされてんのよ!?圧勝!!コテンパンにしてやんのよ!!真希さんの為にも!!」


「、、、そーいうのやめろ」


「明太子!!」



真希さんの事情は野薔薇ちゃんに聞いていたので


私も狗巻先輩達に便乗して近くに行く



「私も頑張ります!真希さんの為にも!!」


「へへっ。そんじゃまぁ、勝つぞ!」


「何仕切ってんだよ」



便乗した私に笑いかけながら前に出た虎杖君は


真希さんに蹴られてしまった






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