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魔法局の方と自宅へ帰ると父が出迎えた



「ただいま戻りました、お父様、、、」


「あぁ、そちらの方は?」



父はチラッと私を見た後魔法局の方を見た



「魔法局の方です。送って頂きました」


「アレリウェル様、お初にお目にかかります。私はレイン様直属の部下、ノードと申します」


「ノード殿、うちの愚女をわざわざ送って頂きありがとうございます。良ければうちでお茶菓子でも召し上がってください」


「いえ、お気持ちはありがたいですが仕事がありますので、、、レイン様からこちらを預かったのでお渡しします」


「!!」



魔法局の方はそう言うと一枚の羊皮紙を取り出した


きっとレイン様が丁寧に断りの手紙を書いて下さったんだろう


返事を貰うまではまだ時間があると思っていたので思わず身構える



「っ!!これは!!!」



父が興奮気味に私を見た、きっとノード様の前で怒られてしまうんだ、、、


久しぶりに長時間父に見られているのが怖くて咄嗟に視線を足元に移した



「はい、レイン様は是非この話を進めたいとの事でした。ただレイン様はまだイーストン校に在学中の上魔法局の仕事をされている為、手続きなど長引いてしまうかと思いますが、、、」


「えっ」



ノード様の話に思わず顔を上げてしまう


あの何も会話の無かったお見合いがどうして、、、



「構いません!我が娘はレイン様のご都合に合わせられますので!!」



あんなに私の事で嬉しそうな父は久しぶりに見た



嬉しいはずなのに素直に喜べない、、、



まだお見合いの話が進んだだけで



今後の私次第でそれが無かった事になる可能性が0なわけではない



それに仮に結婚できたとして



神覚者様の妻として上手く立ち回れるか



レイン様にも呆れられないか不安を抱えながら生きないといけない



私に断る権利は無いが、安心できる余裕もないのだ



「マリンでかしたぞ!これでお前の兄さん達の地位も我が一族の名も上がる!!」



魔法局の方が帰られて家の中に入ると



興奮気味の父に両肩を掴まれる



「お父様達のお役に立てて嬉しいです、、、」



「まだだ!結婚して神覚者様の家族となるまではまだ気を抜くな!!お前には明日から家庭教師をつけるからな、多少学が無ければ神覚者様を満足はさせられん!!」



「はい、、、」



今まで私に衣食住ですらお金を使うことを渋っていた父が家庭教師をつけるなんて、、、



これでレイン様との結婚が出来なければ



私はとうとうこの家に居させて貰えなくなるだろう



私は明日から上手くやれるだろうか



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