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無言が辛い、、、
「あのレイン様、お茶のおかわりはいかがでしょうか?」
「、、、、あぁ」
お互い静かに紅茶を飲む時間が続き、目の前の彼のカップが空になったのを見計らって
ティーポットに触れて声をかけた
今日私は最年少で神覚者になられたレイン様と
所謂お見合いをしている
階級の低い我が家には飛びつきたくなる条件のお見合い話だった為
魔法局からの指令を受けてすぐに父が準備を進めた
魔力が高く魔法局で働けている兄達とは違い
女として産まれた私は家族の中でも魔力が弱く
どの高校にも入学できなかった為
邪魔者として扱われ家でも肩身が狭い思いをしていたが
「やっとお前が役に立つ時が来たんだ、何としても結婚しろ!」
と父に言われレイン様に会いに魔法局へやってきた
「、、、、、、」
「、、、、、、」
初めて会った彼は挨拶以降特に口を開かず
手元に視線を落としながらただ静かに座ってお茶を飲んでいた
何でも話された事を褒めて機嫌をとってこいと父には言われたが
まず会話がないし、何を話したら良いのかもわからない
あまり話したくなさそうにも見受けられるし
もしかしたらレイン様も入ったばかりの魔法局からの指令に従ったまでで
魔力も弱い女とのお見合いは気乗りしないだろう
私のお見合い話はきっと無かったことにされる
だけど何もしないまま帰ったらきっと父に怒られてしまう
せめて何か少しでも会話をしようと口を開いた時部屋の扉がノックされた
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テーマ「人外ファンタジー」
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