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「ん」


「わっ、ありがとうございます?」



突然ケータイが戻ってきた



「、、、、」


「あの今日は本当に、ご飯もタクシーもありがとうございました」



私にケータイを返してくれた後
五条先輩は私の方をじっと見たまま黙ってしまったので


とりあえず今日のお礼を伝えると
ハッとしたような表情になった五条先輩が私の頭をポンポンっと軽く撫でて
夏油先輩達の方に歩いて行く



「次までに食いたいもん考えとけよ」


「えっ」



そう言った五条先輩の耳が赤くなっているのが見えて
全身の血液がブワッとなり心臓がドキドキと速い音を鳴らす


ニヤけていた夏油先輩に怒りながら五条先輩も男子寮へ歩いて行き
灰原君が「五条先輩!そういうことですか!?」とテンション高く追いかけて
七海君は一瞬何故か憐れむような顔を私に向けてその後に続く


とっても都合よく勘違いしてしまいそうだし
次五条先輩に会う時どんな態度をとったら良いかわからない


そんな事を考えながら自分の部屋に着くとケータイがブーっと震える


開くと五条先輩からメールが届いていて



『おやすみ』



件名も絵文字も無いシンプルなメールなのに


やっと治まりかけていた胸の高鳴りがまた再発する


このままじゃ心臓病になってしまいそう、、、



『おやすみなさい』



私もそう短く返して


大丈夫だったかな、絵文字をつけた方が良かったかな
朝はおはようございますを送った方が良いのかな、しつこいと思われちゃうかな


高専に入学して
寮とは言え一人暮らし同然の生活と
任務と学業の両立が出来るか心配だったのに


今日初めて会ったのに


私は恋もし始めちゃったみたいです




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