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夏油先輩が『1年生もマナーとか気にせず』と言っていたけど
全然私達が想像していたお店とは違い
都内でも落ち着いた雰囲気の場所にある料亭で
私と灰原君はずっと驚きっぱなしだった
慣れたように中に入って行く五条先輩と夏油先輩について行き
案内された部屋で座布団に座り
あぐらで座る夏油先輩に足を崩して良いと言われたが
私も灰原君も『大丈夫です!』と正座をした
でも途中で限界が来て2人して震えながら足を崩させて頂いた
二度と立ち上がれなくなるかと思ったし
涼しい顔で正座を続けている七海君が大人過ぎて
灰原君と共に感動した
「おい」
「はっ、はい!」
豪華過ぎる料理をご馳走になり、タクシー2台で高専に戻って
皆で五条先輩にご馳走様でしたと伝えたので
私は1人女子寮に戻ろうとした時
五条先輩に突然手を掴まれてしまった
「メアド、教えろ」
「あ、はい」
そういえば灰原君に共有して貰うのを忘れていた
ケータイを取り出して開くとサッとそれを奪い取られ
恐らく私のアドレスを見ながら自分のに打ち込む五条先輩
「あ、あの?」
「、、、、、」
多分アドレスも電話番号も打ち終わっているのに
五条先輩は私のケータイをいじり続けていて返してくれない
チラリと夏油先輩の方を見ると呆れた表情をしてる
灰原君は何だかわくわくした顔をしてるし
七海君は早く部屋に戻りたそう、、、
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