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「宮内先輩!おはよーございます!」


「五条君おはよー」


「おはようございます宮内先輩」


「おはよーマリン先輩」


「おはよう夏油君、硝子ちゃん」



支度をして寮を出ようとした所で後輩ちゃん達に挨拶をされた


夏油君が昨日渡したヘアゴムを手に私の元に来る



「宮内先輩、これ」


「は?」



ヘアゴムを受け取った時五条君が低い声を発した



「それ宮内先輩のだろ、何で傑が持ってたんだよ」


「悟、これは昨日宮内先輩が」


「傑てめぇ!!」


「っ!?」


「え!?待って待って五条君!!」



突然怒りだした五条君が夏油君を殴ってしまった


あまりにも急な事だったので夏油君も避けきれず
私も五条君の腕を掴むも、止められなかった


硝子ちゃんはいつの間にか居なくなってるし



「待ってくれ悟、きっと勘違いしているよ」


「あ"ぁ?てめぇが昨日宮内、先輩、、、と、、、」



夏油君に掴みかかっていた五条君が
腕を私に掴まれている事に気がついたのか恐る恐るこちらを振り返る



「あーあ、マリン先輩の前での猫かぶりっ子終了ー」


「「「、、、、、」」」



どこに隠れていたのか
いつの間にか戻ってきていた硝子ちゃんの声が響く


少し腫れた頬で楽しそうな顔をした夏油君と
何も言えずにいる私の前で
五条君の顔色はどんどん悪くなっていく



「っ、」


「あ!待って五条君!!」



私の手から逃げて外に行ってしまう五条君を追いかける
奇跡的に片手を掴むことが出来て
バツが悪そうな顔をした五条君が顔を俯かせる



「宮内先輩、俺、、、」


「五条君」


「、、、、」


「やっと皆と同じ五条君が見れたよ」


「えっ、、、?」


「夏油君とか硝子ちゃんとか歌姫ちゃんとか、夜蛾先生の前での五条君と、私の前での五条君違うなって思ってて。五条君やりづらくないかなって少し心配だったの」


「知ってた、、、んですか?」


「うん。どっちの五条君も好きだけど、五条君が過ごしやすい方でいいんだよ」


「くっ、、、先輩」


「なぁに五条君」



やっと落ち着いたと思ったら
白い髪と肌のせいでわかりやすく顔が真っ赤になっている五条君に優しく抱きしめられる



「俺、先輩が好き」


「私もだよ」


「、、、俺が言ってるのはその、、恋愛的な意味での好きなんですけど、、、」


「うん、ちゃんとわかってるよ」


「、、、、ほんとズルいって」



抱きしめられる力が強くなって頬が緩む



「だから言っただろう。ストレートに告白してみろって」


「ダッセェの〜」


「うるせーよ」


「悟ぅ、私を殴った事は謝らないのかい?」


「何を勘違いしたんだかな〜」


「なっ何でもいーだろうが!つーか空気読めよ!」



全て見ていたであろう夏油君と硝子ちゃんにからかわれて
慌てる五条君が可愛らしい



「五条君。昨日たまたま会った夏油君に髪ゴム貸しただけなんだけど、ぶっちゃったしちゃんと謝らないとダメだよ」


「、、、、、」



硝子ちゃんが治療してあげたのか
夏油君の頬の腫れは引いていたが
流石に友達とは言え突然殴られるのは可哀想だ



「、、、、悪かった」


「しょうがないなぁ」


「うぜぇ」


「もう隠さないのつまんな〜」



後輩3人の会話が平和でつい安心してしまったが
各々授業と任務があるので3人と一度お別れする


五条君が今まで以上に離れてくれなくなったが
私は彼とお付き合いする事になった




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