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「あらら、宮内寝ちゃったの?」
食事が終わって洗い物したいと言う宮内を何とか座らせて
洗い物をしながら一緒に映画のDVDを観ていたはずが
ローテーブルに突っ伏して静かになってしまった宮内を覗くと
静かに可愛らしい寝息を立てていた
「ったく、俺の気も知らないで、、、」
仕方なしに宮内をそっと抱きかかえて俺のベッドに寝かせる
柔らかいのに軽い身体は本当に俺の作った料理を食べてるのかってくらい
ちょっと力を入れたら壊してしまいそうで
1人不安になる
そっと掛け布団をかけて宮内の頭を撫でると
幸せそうな顔で笑うから
色んな感情が俺の中で溢れる
大事にしたい
護りたい
触れたい
愛されたい
俺だけを見て欲しい
笑っていて欲しい
幸せになって欲しい
一度死と直面したせいか
広すぎる世界に足を踏み入れてしまったせいか
最近たまに弱気になって嫌になる
そっと部屋の電気を消して
クッションとタオルケットを手にして床に転がる
遠くで規則的に聞こえる小さな寝息に不思議な安心感を覚えながら
両目を閉じた
「虎杖君ごめんね、床で寝かせちゃって」
「おはよー宮内。全然大丈夫!つーか相当疲れてたんだな」
「おはよう!いやぁそんなはずないんだけど、虎杖君のご飯食べたら安心しちゃったのかも、、、」
「えっ?何で??」
「んー何て言うんだろ、帰って来ました!って感じがして?」
「ははっ!なんだよそれ、朝御飯も作ったから食べてから部屋戻りな」
「ううう、もう虎杖君のご飯無しじゃ生きられなくなっちゃうよ、、、」
そこは俺無しじゃ生きられなくなって欲しいって言葉は飲み込んで
宮内の頭を撫でると嬉しそうに微笑まれて胸の奥があったかくなる
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