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突然背後から声がしたので振り返ると
目元を黒い目隠しのような物で覆った白髪の
この部屋のように全身黒い服を着た長身の男性が立っていた



「びっくりした?マリンに会いたくて飛んできちゃった」



目元は見えないが口元と声色と仕草から
楽しそうに話しているのがわかる



「ん?どーしたの?」


「あの、私は、マリンって言うんですか?それに、先生って事は私の学校の方、、、ですか?」


「!!もしかして、マリン記憶がないの?」



私が質問をすると急に上がっていた口角を下ろして私の両肩に手を置かれた



「ご、ごめんなさい、気がついたらここに居て、それで、、、っ!」


「いいんだよ、覚えてないならそれで、、、君が生きていてくれたから、、、」



突然両肩に置かれていた手を背に回され抱きしめられる



「あの、私、どうしたら、、、」


「他者に反転術式が施せるマリンにとって"外"は危ないからね、記憶があろうと無かろうとずっとこの部屋に居て貰うよ」


「反転術式?」


「本当に覚えてないんだね、呪詛師とか、呪術もわからないか、、、後で細かく教えてあげるよ」


「ありがとうございます、、、あの、良ければお名前と、、、お顔を見せていただけませんか?何か思い出せるかもしれないので、、、」


「顔かぁ、前もあんまり見せたことなかったけど、、、はい、どーぞ」


「!!」



片手で私を抱きしめながら器用に目隠しを外す
酷く整った顔と、吸い込まれるように透き通った瞳が目の前に現れた
抱きしめられたままだから、距離が近い



「見惚れちゃった?」


「綺麗、ですね」


「マリンは記憶がある時もそう言ってくれたよ」



優しく微笑まれ、先程と違って目が見えてる分
距離と抱きしめられている状況も相まって顔に熱が集まってくるのがわかる
咄嗟に下を向くと、ポンポンと頭を優しく撫でられた



「前も今も、マリンは可愛いね。僕は五条悟。君の先生だったんだけど、今日からは一緒にここで暮らすんだよ」


「先生と一緒に、ここに?」


「うん、君は僕が不在中に学校に現れた呪詛師に襲われて、何とか学校に居た他の術師に助けられて硝子が手当してくれたんだけど、もう危険な目に合わないように、僕の家で護ることにしたんだ」


「??先生の家に?」


「そう、ここには僕が張った結界があるから、特級でも無い限り術師も呪霊も入れない」


「で、でも、どうして先生と住むんですか?」



沢山わからない単語を言われて混乱する中
これだけは確実におかしいと思うことを疑問に思い、聞いてみる
何か危険な目に遭うことが予測されるなら
わざわざ教師の自宅じゃなくても、どこか安全な施設とかがあるはずなのでは、、、


五条さんは何か考えるように少し視線を反らすと
すぐに笑って私の方を見た



「僕とマリンは確かに先生と生徒だったけど、恋人でもあるんだよね」


「えっ、私、先生と付き合ってたんですか?」


「そう、僕と付き合ってるの。だから僕の家で僕が護るんだよ」


「そう、なんですね、、、ごめんなさい、何も覚えてなくて、、、」


「いいよ。こうして」


「っ!」


「触れ合っていれば何か思い出すかもしれないしね」



私の唇にそっとキスをして
少し悲しそうに五条さんが微笑む
突然キスされたので驚いて離れようとすると
抱きしめる腕に力を入れられる



「誰にも傷つけさせない、触れさせない、僕が護るからね、マリン」



そう言ってまた唇を落とされた




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