1



目が覚めると知らない部屋に居た



所謂高級マンションというやつだろうか
大きな窓からは広めなベランダと少し低めな位置に近いのビルが沢山見えた



「いった、、、」



外を眺めていると突然後頭部に頭痛が走った


触るととくに瘤が出来ているわけでも、傷があるわけでもなくて
ただ内側に痛みが走っただけだった



再び部屋を見渡す



寝室と思われるこの部屋は
高級そうな黒で統一された家具と寝具が置いてあるだけで
何もわからない、何も、、、



あれ、ところで



「私って何してたんだろう」




ここの記憶どころか
何故ここで寝ていたのか、まず自分の名前が何なのかもわからない


日本人って事と学生だって事は
自分の服装と染み付いているであろう記憶から汲み取れるが


自分が何と言う名前で、どう育って、どんな人間で、どの学校に通っているのか
全くわからない


窓の外をよく見てみると
うっすら薄い透明な膜のようなものが張られているのがわかった


それはこのマンションの部屋全体を包みこんでいるように見える


何か情報はないかと
少し殺風景な寝室から出ると
同じように黒で統一された家具が並ぶリビングに出た


テーブルは黒いガラスのような素材で出来ている
モデルルームか何かなのか
家具はあるが生活感のある物は何もなくて
パッと見では情報のありそうな物が無いので
寝室に戻って黒いクローゼットを開けようとする



「そこは先生の服が入ってるんだけど、気になるの?マリン」


「えっ!?」




[ 2/77 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



×
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -