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あったかい



伏黒君の唇はいつもあったかくて
少し冷えがちな私の唇に体温を移してくれるみたい



「っ」


「もう、、だ、誰かが見てたらどうするの、、、」



彼のキスはいつも突然で


野薔薇ちゃんや虎杖君が他所を向いてる時とか


任務が終わって車を待っている時とか


車で補助監督の方が駐車場代を支払ってる時とか


とにかく隙あらば唇を奪われる




今だって、中庭の花壇に水をあげていて


誰かが近づいてくる気配がしたので振り返ったら唇にあたたかさを感じていた


よく外さないなって思うし


もし誰かに見られていたらっていうドキドキで


いつも顔が赤くなってしまう



「2人きりにならないように逃げる宮内が悪い」


「だって、、、、」


「ん?」



後ろから優しく抱きしめられて完全に逃げ場がなくなる


彼に私の心臓の音が届いてしまいそうで


頬の熱が引かない



「伏黒君が、かっこいいんだもん、、、」


「っ!!」


「わっ!」



勇気を出して正直に伝えると


勢いよく身体を反転させられ正面から抱きしめられる



「お前何でそんな可愛いんだよ」


「か、可愛くない!何で怒ってるの??」



口調は強いけど、声が優しくて本気で怒ってないのはわかる


でも抱きしめられたままそう言われて


照れないでいられる人がいるんだろうか、、、



「、、、、そろそろ、俺キスだけじゃ済ませらんねぇかも」


「へっ!?」


「、、、、、嫌?」



彼の言っている意味が理解できないほど純粋ではなくて


でも付き合うの自体伏黒君が初めてで
そういった経験があるわけでもない私にとって


そう正面から言われてしまうと死んじゃいそうなくらい鼓動が早くなってしまう




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