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「悟、またマリンを泣かせてるのかい?」


「っはぁ?泣かせてねぇよ、こいつが勝手に」


「げとうぜんばいぃ」



救世主のようなタイミングで夏油先輩が現れた
夏油先輩もたまにチクッと刺すような事を言ってくるが
五条先輩のような暴力はないし、9割は優しいで出来てる



五条先輩に掴まれた体制のまま夏油先輩に両手を向ける



「チッ」



頭上で舌打ちが聞こえた気がしたが
私の両手に自分の制服を掴ませ、頭を撫でてくれる夏油先輩が居るから大丈夫だ



「悟は素直じゃないからね、口は悪いけど本当はマリンの事心配しているだけだと思うよ」


「してねーよ!!」



パッと掴まれていた手を離されて少しよろける
さっき一瞬泣いただけなのに目元が痛い
五条先輩と話すのは呪霊と戦うよりしんどい



「お前今失礼な事考えただろ」


「!!先輩の眼はそんな事まで見えるんですか!?」


「図星かよっ」


「あだっ」


「こら悟、優しくしないともっと嫌われるよ」



私の頭をまた撫でながら夏油先輩は呆れた声を出す


私みたいな激弱ボロボロ術師に嫌われたところで
御三家五条家六眼サングラス卍な五条先輩は痛くも痒くもないだろう


チラッと五条先輩を見上げると、よくわかんない顔をしていた



「あーーシラけた、、、傑、飯行くぞ」


「はいはい。マリンはちゃんと治療受けるんだよ」


「はーい」


「おいマリン」


「、、、はい」




歩き出した五条先輩に続いた夏油先輩に返事をすると
五条先輩が足を止めて顔半分だけ振り返る



「腕や脚の一本が無くなっても毎回帰ってこい」


「、、、、」


「返事!」


「っ、はい!」



意外な事を言われてびっくりした


気にせず歩いて行ってしまう五条先輩と
ひらひら手を振って歩いて行く夏油先輩



さっきまで痛かった胸はなんともなくなってる



嫌な事は言われるし扱いが雑で苦手だけど
強さも優しさも確かなもので嫌いにはなれないし
ほんとはちょっぴり尊敬してる


でもそれは絶対教えてやんない




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