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「おい」


「あ、爆豪君、おはよう、、、」



次の日朝早くに教室に着いてしまったが


意外にも教室にはチラホラと眠そうなA組の生徒が何人か登校していて


私も欠伸が出ないようにしながら持ち物を確認していると


相変わらず不機嫌そうな爆豪君に声をかけられて身構えてしまう



「、、、、やる」


「えっ?」



視線を少しそらしながら差し出されたのは


爆豪君らしくない薄ピンク色の小さな紙袋で


その紙袋に描かれているロゴには見覚えがあった



「いつもの礼だ、受け取れ」


「あ、ありがとう、、、でもこれ、高いとこのだよね?」



ズイッと音がなりそうなくらい近くに差し出され


受け取って中を覗くと予想通り


最近テレビとかでも有名な洋菓子店のカヌレが入っていた



「、、、嫌いか?」


「んーん!カヌレ好き!本当に貰って良いの?」


「っ!、、、いつもの礼だっつっただろ」


「そんな、私何もしてないのに、、、」


「、、、じゃあスマホ出せ」


「スマホ?」


「ん」



少し頬が赤く見える爆豪君に今度は何も持っていない手を出され


その上に私のスマホを置く



「、、、ロック解除しろよ」


「は、はい」



すぐに返されたと思ったら解除するよう言われ


言われるがままに解除してもう一度渡すと


爆豪君も自分のスマホを取り出して何やら操作して私の画面の上にかざして


スマホが返された



「登録しとけ」


「うん、、、うん?」



受け取ってよく考えずに返事をしてしまい


聞き返して見上げた時には彼はもう自分の席に向かっていたので


仕方なく自分のスマホを見ると


LIMEに爆豪君からメッセージが来ていた


開いて見ると



『よろしく』



というシンプルなメッセージでちょっと笑ってしまった


追加のボタンを押して私もよろしくお願いしますという文と共に


ゆるめなキャラクターのスタンプを送る


私が爆豪君に怯えていたのを察して


コミュニケーションを取ろうとしてくれているのかもしれない


だからよく声をかけてくれたり


怖がらせないように他の子みたいにあだ名じゃなくて


ちゃんと名字で読んでくれてるのかな


って勝手な解釈だが彼の優しい面を知れた気がして


爆豪君が苦手ではなくなった気がする


貰った紙袋を机の通学鞄の反対側にかけて


これを買う為に殺気立ちながら並んでいる爆豪君を想像して


私はまた静かに笑ってしまった




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