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「あの、、、私今日は自分の部屋で寝るね?」


「っは?」



そっと身体を離してそう伝えると


ポカンと口を開けて固まる爆豪君


いつもの流れではこのままベッドに連れて行かれて優しく抱かれるのだが


プロポーズされた動揺もあってか


今日はそういう気分になれなかった



「あの、、、」



グッと顔を歪めて無言で再び私を抱きしめる爆豪君



「、、、、明日早いんか」


「爆豪君ほどじゃないよ、、、、何なら明日はヒーローズロードだけだし」


「じゃあ、、、、何考えてるか話してくれねぇか?」


「えっ?」


「ずっと何か考えてるだろ」


「、、、うん」


「言いづらかったら言わんでもいい」


「うん」


「、、、何もしねぇから、一緒に寝るのもダメか?」


「、、、いーよ」


「ん」



再び私を軽々抱き上げて寝室に向かう爆豪君


ここに住まわせて貰ってる身で2人の寝室と別に自分の部屋も貰っている


ここまでして貰っているのに何も返せない罪悪感が毎日私を苦しめる


でもそんな私よりも苦しそうな表情で私を抱きしめて横になる彼は


どうしてそこまでして私に拘るんだろうか


きっとそれを聞いたら全部が終わってしまいそうで怖い


爆豪君の事は嫌いじゃない


優しいしかっこいいし、何より愛情が伝わってくるので好きだ


でもどうしても無個性な自分で良いのだろうかと不安になってしまう


付き合うだけなら振られれば傷ついて終わりだが


もし結婚して2人の子供が生まれた時


その子が無個性だったら


彼はどんな顔をするんだろうか


その時彼は私とその子をどうするんだろうかと


わからない未来を想像してしまって怖い


そもそも私は個性だけでなく


可愛い顔でも男性の心を揺さぶるような美貌でもない


甘えるのが上手いわけでもない


何もないのだ


それと比べてヒーロー活動も、家事も


何でも器用にこなす彼にとって私は本当に必要なんだろうかと


彼には伝えられない不安が涙になりそうで


爆豪君の胸元に擦り寄ると


何も言わずに抱きしめる腕に力を込めてくれた





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