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「仕事辞めねぇのか?」
「趣味も無いし収入も無くなっちゃうし、、」
突然じっとこちらを見ながら予想外の話をされた
現状ほとんど出費が無いとは言え家事もほとんどさせて貰えないので
仕事を辞めたら本当に何もする事がなくなってしまう
友達も多くはないし趣味も無い私にとって
エンデヴァー事務所での仕事はやりがいもあるしとても大事な時間だった
「じゃあうちで事務やれよ」
「えっ?」
「事務所作った」
「え、えっ?聞いてなかった、、、」
「あんま周りにも言ってなかった」
「そっか、、、」
「悪い、マリンには話すべきだったよな」
「、、、、いいんだよ爆豪君の自由だし」
正直事務の私と現役人気ヒーローの彼じゃ稼ぎがまるで違う
身元は明かさず彼女が居ることを公表していても彼の人気は下がらず、男女共にファンも多いし
私はエンデヴァー事務所で働かせて貰ってるとはいえ一般人だし無個性だ
彼とは何もかもが違う
でも一緒に住んでいて彼がヒーロー事務所を作っている事すら知らないなんて、、、
彼は芸能人とか同職のヒーローとか、可愛らしく愛してくれるファンの女の子とか、もっと素敵な女性と共に過ごした方が良い
流されるまま付き合ってる私なんかよりも、だ
「、、、、何考えてる」
「ん?凄いなぁって。もう発表はするの?」
「来月しようと思ってる」
「そっか、ドキドキだね」
「、、、、、その時にこれも発表したい」
差し出されたのは中身が予想できるようなレザー調の小さな箱
パカッと開かれると案の定
可愛らしいデザインに少し大きな輝く宝石を乗せたリング
「、、、誰と?」
「マリンしか居ねぇだろ」
「、、、あの、えっと」
じっと見つめながら私の返事を待ってくれる
その優しささえ私には苦しく感じる
正直流されるように付き合い同棲するのと
結婚するのは違う
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