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俺の視線に気づいたトガが笑顔のままこちらにやってきた



「弔君、弔君も恋ですか?」


「、、、はぁ?」


「会いたい、話したい、知りたい、もっともっと同じになりたいって思うのは、恋ですよ弔君!」



そう嬉しそうにそして興奮気味に話すトガ


最後のはよくわからないが
話すのも目に映すのも俺だけにさせたいと思う
これが恋なのだろうか


馬鹿げている


だが不思議と手放せない感情だった



「何のお話?」


「!!」



マリンが目の前にやってきて
トガはトゥワイス達の元に戻りそこから見てくる



「弔君のくれたお花、髪につけてみたの」



そう話すマリンの前髪の横辺りに
器用にも白い小さい花が飾られていた


そっとそこに手を伸ばすと崩れない花とマリン


そのまま耳の後ろを撫でて頬に触れる


冷たい俺の手を柔らかくて滑りの良い、温かいマリンの頬が
熱を分けてくれる気がした



「弔君、擽ったいよ」


「、、、、、っ!」



恥ずかしそうに笑うマリンの声でハッとする


頬に触れていた筈の俺の手が


マリンの顎に手を添えたまま親指で唇を撫でていた


トガどころか他の奴も見ていたのに





マリンからパッと手を離して部屋を出る


唯一触れても壊れないからだ


そんな言い訳とっくの昔に言い聞かせてた


でもそれだけじゃない何かがマリンにはあって


それがどうしても俺を引き込んでいく


今となってはあんなに愛でられている
あの小さな花にも憎しみを覚えるくらいには


マリンという存在が俺の脳内に溢れている




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