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林を歩いていると緑の多い草むらの中に
白い小さな花が2つだけ咲いていた



「、、、、」



摘もうとすると当たり前に崩れていく花


わかりきっていた事なのに無意識にしてしまった自分の行動にも
崩れた花にも腹が立つ



「これがいいの?」



聞こえた声に振り返ると
俺の返事も待たずにマリンが隣に来て
残りの白い花を手に取った



「はいどうぞ」


「、、、、お前にやる」


「本当に?ありがとう!」



なんて事無い雑草なのに
そもそも俺の物でもなかったのに
本当に嬉しそうな顔を向けられて胸の奥がむず痒くなる
だが不思議と先程までの苛つきは消えていた



薄暗い廃墟のようなアジトに戻ると
馬鹿みたいに花の話をするマリン



「このお花弔君に貰ったの!」


「良かったねマリンちゃん!」


「ふーん」



トゥワイスや荼毘に話しても足りないのか
トガにも嬉しそうに花を見せるマリン



「ヒミちゃん見て!お花!!」


「わぁ、素敵ですねマリンちゃん!!」



そんなマリンの両手を興奮気味に握るトガ


何故だかその光景にイライラしてきた







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