「俺と付き合え」


「はっ、はいっ」



何にですか?なんて聞いちゃいけない雰囲気を纏いながら
そう爆豪君に言われ反射的に答えてしまったのが先週



「あ、あの、爆豪君、、、」


「、、、、」



その日から周りに誰も居ないと抱きしめられるようになってしまった


最初に抱きしめられた時も、その後何度抱きしめられても
私は緊張で固まってしまう


それを知ってか知らずか爆豪君は毎回
私の首の後ろと腰を優しく引き寄せて
あったかい体で優しく抱きしめてくれるからドキドキする


こうなる前は言葉も個性も強いクラスメイトって印象で
同じ班になった時とか何か必要がある時以外関わったことが無かった


緑谷君や他のクラスメイト、、、いやクラスや学年、立場関係なしに彼はいつでも自分らしい言葉で自分らしい態度を貫く
少し強引なイメージがあったのでこの優しい雰囲気が何だか意外
でも不思議とその優しさに違和感は無くて、根は優しい人なんだなとここ数日で気づいてしまった



「、、、なぁ」


「はい」


「嫌か?」


「へっ?」



いつも誰かが来る前に身体を離されて、何事もなかったかのように去っていくのに


今日は誰かが来る気配も無くて長い時間抱きしめられたままだ



「こういうの、嫌か?」


「い、嫌とかじゃなくてその、恥ずかしいです、、、」



そう言ってる自分が何だかむず痒くなってしまって
爆豪君の服を握ってしまったら
私を抱きしめている爆豪君の腕に少し力が入って更にギュッとされる


そっと身体が離されたので誰か来るのかと思ったけど
爆豪君は私の肩に両手を乗せたまま見つめてくる


まっすぐ優しい目で見つめられて思わず視線を下に向けると
おでこに柔らかい感触が



「えっ」


「、、、早く慣れろ」



そう言って私の頭をポンポンっと大きな手で撫でて立ち去る爆豪君


顔を上げた時に見えた彼の顔も少し赤かったので
彼もその行為が少し照れ臭かったんだと知る


付き合って爆豪君の意外な面を沢山知ってしまってから


優しい体温と腕の力を知ってから


また抱きしめてほしいと思うようになってしまった






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