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「なぁ」


「へっ!あ、轟君お疲れ様!」



実技演習の授業が終わり着替え終わって歩いていると


まるで私を待っていたかのように背を預けていたであろう壁から離れて


轟君が私の元に近寄ってきた



「さっき俺の目が綺麗、って言ったよな?」


「ごごごごごめん、本当に悪気はなくて!ずっと綺麗だなって思ってたのがつい口から出ちゃっただけなの、嫌な気持ちにさせたかったわけじゃないの」


「?別に傷ついてねぇけど?」


「ほんと!?」


「あぁ、むしろそう言われたのは初めてで俺は嬉しかった」


「え!絶対に皆言わないだけで綺麗だって思ってるはずだよ!」


「そうか?でも言ってくれたのは宮内だけだ。ありがとう」



そう言って顔立ちの良い彼に微笑まれて


顔が熱くなるのを感じた




その日のお昼



「あれ!轟君がお蕎麦じゃないの珍しいね!」



A組の何人かで固まってお昼を食べていたら


後ろのテーブルに居た緑谷君の声が聞こえて思わず振り返る



「あぁ、宮内がよく食べてるから」



急に自分の名前を呼ばれてドキッとするのと同時に


彼の前に私がよく食べているグラタンがあるのが見えて


それにもドキッとしてしまう



「えっ、それって、、、」


「同じもん食ってみたかったんだ」



私同様驚いてる緑谷君に当たり前のように話す彼と


男子女子共に騒ぎ出す近くで聞いていたクラスメイト達


心臓が壊れそうなくらいドキドキして


絶対に赤くなってるってわかるくらいには顔が熱くて


そんな自分を誤魔化すために咄嗟に



「お揃いだね!」



って言ったのに



「あぁ」



って嬉しそうに微笑まれるから


結局私の心音も周りの喧騒も更に煩くなってしまった




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