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「マッシュ君ヒゲ!クリームがまたヒゲになってるよ!」


「大変!今私が拭いてあげますね、ぐへへへ」


「レモンちゃん笑い方気をつけて!怖い!」


「ったく、お前は本当にだらしがないな」


「だぁー!ダメだ!!レモンちゃんの手を煩わせるんじゃねぇ!!俺が拭いてやる!!」


「いや、これは最後に舐める為に乗せてるので」


「わざとだったの!!??」



放課後マッシュ君の部屋で皆と過ごしていると
時間があっという間に過ぎていく


窓の外がもう真っ暗だと気づいた時
遠くから何かが近づいてくるのが見えた



パリィンッ!!



「あぁっ!また窓が!!」


「こんな遅くにどうしたフクロウさん」



寮の窓が割れてショックそうに床に崩れるフィン君と


椅子から立ち上がってフクロウさんに近づくランス君



「ダーリ、、、マッシュ君にでしょうか?」


「つっ!?」


「ははー!イケメン君でも動物に好かれないことあんだなー!!グハッ」



ランス君がフクロウさんの咥えていた手紙を取ったら
手を激しく啄かれたのでドット君が爆笑し
その声に驚いたらしいフクロウさんがドット君の顔に突っ込んで行った



「マリン、お前宛だ」


「えっ?私??」


「「「「「「、、、、、、」」」」」」



確かに封筒には私の名前が書かれていたので
皆に手元を見守られながら手紙を開くと



「おやおや、これはまぁ、、、、」


「兄様から、、、、」


「ラブレターですねマリンちゃん!!!」



中身は今から中庭に来て欲しいというレイン先輩からの手紙だった


レイン先輩はアドラ寮の監督生であり神覚者様で
フィン君と一緒に居る時に何度か話しかけられるようになり
ずっと弟のフィン君が気になるのかと思っていたが
1人で居た時にも話しかけられあろうことか告白をされ
未だに信じられないがお付き合いをしている



「でも夜に寮の外を出歩いたらいけないんじゃないの?」


「確かに、、、」


「監督生権限だろう」


「なるほど、、、」


「えっ、今からって、今からなのかな??」


「当たり前だろう。別のタイミングだったらそう書くはずだ」



一応確認したつもりだったのにランス君にゴミを見るような目で正論を言われる



「こんな時間にうさぎ先輩何の用だろうね」


「え、とうとうやっぱ間違いでしたって振られるのかな、、、?」


「いや、それは流石にないんじゃ、、、」


「大丈夫だマリンちゃん。もし振られても俺はマリンちゃんの側に居る」


「いいからさっさと行って来い」


「じゃ、じゃあ皆、行ってくるね、、、おやすみなさい、、、、」



正直魔力量も立場も低い私が何故レイン先輩に告白されたのかわからない


2人で会っても言動が大人で、とは言え恋人らしい事は全くしていないので
私が聞き間違えたのを訂正するのも悪いと思って付き合ってくれているのかもしれない


流石に本当の事を話して別れようと言われるのかな
と、少し寂しい気持ちになりながら月明かりに照らされた廊下を歩く






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