1 「ワース、退学にされちゃうの、、、?」 「いや、アベルが校長に何か言ってくれたらしい、例え退学になっても俺は、、、お前と別れたくねぇ、、、」 「私も、ワースと別れないよ」 腹が立つ イーストン校に用事があったので 幼馴染の少女の姿を一目見ようと探すと その少女が自分の弟と人気の無い場所でキスをしていた 彼女と弟は同い年なので仲が良いとは思っていたが まさか交際しているとは思わなかった 「あの、、、お久しぶりです」 彼女を呼び出すと幼少期や弟の前とは違って 怯えたような言葉遣いで、表情で私を見上げてくる 「貴女は七魔牙の一員だったワースの重大な魔法規則違反に気が付かなかったんですか?」 「も、申し訳ありません!実際何をしているのかは知らなかったので、、、」 「見落とした貴女も罪に問われます」 そう言うと更に怯えるように 瞳を潤ませて言葉を詰まらせるマリン 「しかし私は神覚者です。貴女次第で七魔牙の一員として規則に反した彼も、貴女も不問にしてもいい」 「わ、私次第で、、、、?」 「えぇ、、、今から貴女は、マリンは私のモノです。私に逆らう事は許されない」 「え、、、?んっ」 逃がさないように顔を両手で挟んで 虚しさを押し殺すように唇を塞ぐ 無抵抗に私の唇を受け入れるマリン ギュッと服を掴んでいる手も柔らかい唇も愛おしい その柔らかさを他の男も知っていると思うと非常に腹立たしい 唇をそっと離すと マリンの瞳からは涙が溢れていた 胸が締め付けられて苦しくなる だがこれは彼女にとっても、弟にとっても 私にとっても正しいことだ そう自分に言い聞かせながら 静かに私を見上げる彼女の唇を舐めた [ ← | → ] |