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「マリンちゃん!!」


「!!レ、レモンちゃん!?」



そっと立ち去ろうとしたらレモンちゃんに両手を握られてしまった



「マリンちゃんはどうなんですか!!」


「どうって、どういう事、、、?」


「マッシュ君の事です!!」


「いや、正直あんまり話した事ないし、悪い人では無いだろうけど、よくわからない、かな?」



レモンちゃんの言うどうが何のどうなのかよくわからないけど
5人の視線を感じながら正直な感想を述べる



「よかったじゃねーかマッシュ!まだ望みはあるぞ!!」


「、、、?」


「ったく、本人に自覚が無ければ望みも何も無いだろう」


「あぁ??んでてめーはそう決めつけんだよ!」


「第一貴様はまず自分の心配でも「コロス!」


「あーもー何で2人はすぐに喧嘩始めるの〜」



またわいわいし始めた、、、



「〜〜っ」


「?レモンちゃん?」


「私決めました!!!」



いきなり私の手を握ってきたレモンちゃんが俯きながら震え始めたと思ったら
急に両手を離して拳を上に上げた



「横恋慕なんて私っ、出来ませんっ!!!マッシュ君の初恋の相手として、マッシュ君の次の恋も応援しますっ」


「「え」」



フィン君と声が合ってしまった


レモンちゃんはなんとなく的外れそうな事を言いながら柱を叩き始めたので
とりあえず自由になった両手で用事のあったフクロウさんに書類を託す
というかフクロウさんもビビって震えてるからやめてあげて欲しい、、、



「あの、私帰ってもいいかな、、、?」


「えっ?」



フクロウ小屋の用事は済んだし
これ以上怯えるフクロウさん達を見てられないし
マッシュ君の件は解決しなさそうでレモンちゃんは柱と話始めてなんか怖い


わいわいしてるマッシュ君達とレモンちゃんを見ながら
気まずそうにしてるフィン君に小声で声をかけた



「その、、、何か皆大変そうだし、、、」


「あ、あぁ、大丈夫だと思うよ」



気まずそうながらも微笑んでくれるフィン君に安心し
その場を立ち去ろうとマッシュ君達の方をチラリと伺うと
ぐりん!って効果音が出そうな勢いで頭を回したマッシュ君と目が合った



「、、、どこに行くの?」


「えっ、あの、用事も済んだことだし寮に帰ろうかと思って、、、」


「ガーン」



言葉通りショックそうな顔のマッシュ君



「じゃ、じゃあまた授業でね〜」


「あ、待って!」



ドゴォオオッ!



扉付近に立っていた私の顔の真横に、マッシュ君の腕がある


というかさっきまで壁だった物体にマッシュ君の腕がめり込んでいた



((((壁ドンってレベルじゃねぇ、、、))))



多分皆と心の声がハモった



「しまった、また公共の物を壊してしまった、、、」



ブツブツ言いながら破片を壁に何とか埋め込もうとするマッシュ君
小屋の隅に逃げていくフクロウさん達


私が基礎魔法で可能な限り修復すると
マッシュ君にキラキラした目で見られた



「やっぱりマリンちゃんは優しいな」


「え?あ、いや、流石にフクロウさん達が可哀想だし、、、」


「こ、これかれも僕が壊しちゃう物をマリンちゃんに直して欲しいな、、、」


「え、嫌だけど、、、」


「ガーン!!」



発した言葉通りショックそうに固まるマッシュ君


何だか申し訳ない気もしたが


フクロウさん達が可哀想だし


流石にこれからも何か壊されるのは、、、


そう思ってふくフクロウ小屋から出ると


小屋の中からは相変わらず固まってしまったマッシュ君以外の声が聞こえてきた


皆が外に出るように言えば良かったかなとも思ったが


今更また戻るのもなぁと思って


心の中でフクロウさん達に謝りながら私は寮に向かった






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