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「その環境では、一見才能や立場で価値が決まるように見えるが俺はそうは思わない」



「貴様の言動全てが気に食わないが、その努力だけは認めてやる。行くぞ」


「あっ、うん!」



本を持ったまま立ち尽くす先輩を置いて
ランス君が歩き出したので後を追う


先輩は追ってこない



「ランス君は、強くて優しいね」


「、、、俺は妹にしか優しくしない」


「そっか」



私の少し先を歩いているけど差は広がる事が無くて
こちらを見ずに答えるランス君に思わず頬が緩む


対峙した相手を認められるところに尊敬するし
ランス君が今までどうやって生きてきたのかわからないけど
強くて聡明で優しくて、赤面した顔が可愛いなんて
叶わないって理解してても好きな気持ちが増してしまう



「ずるいなぁ」


「は?」



怪訝そうにこちらを振り返るランス君にまでときめいてしまう私は
彼のシスコン並みに重症かもしれない






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