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「貴様はこいつ等を劣等生と言ったが、何もわかっていないようだな」


「あぁ?」



私を抱き寄せたままランス君が先輩の方を向く



「俺は奴の言葉で大切なことを思い出せた」



そして左手で杖を構える



「こいつ等を劣等生と罵っていいのはこの俺だけだ」



「グラビオル・セコンズ」



「!!」



ランス君が魔法を唱えた瞬間
光る柱の様な物が複数浮かび上がる



「トゥーチャーポール」



柱に囲まれた化け物が磔にされるように身体を広げた



「そうだ、その柱は個々に強力な重力を発生させる。柱自身に向かってなそして、柱に囲まれたその化け物は四方から重力に引っ張られ」



「霧散する」





バァンッ!!
という音共に泥の化け物が弾けた



「、、、かっこいい」



思わずつぶやいてしまった言葉に自分で焦る
妹さん以外興味のない彼に、こんな言葉は嫌悪感しか抱かれないはず


何とか言い訳しようと彼の方を見上げると



「っ/////」


「えっ」



予想外にも顔を赤くしてこちらを見る目は見開いていて
私も何も言い訳出来なくなってしまった



私を抱き寄せたままだった事に気づいたのか
私の腰に回っていた右手をパッと離して
先輩の方に向き直すランス君
少し顔が赤いままだ、、、



「貴様のだろう、落ちていたぞ」

 

先輩に向かってランス君が何かを投げる



「随分使い古されているな、その参考書」


「!!」


「貴様の言う人間の価値とは何だ」


「、、、、」


「俺の親は世間体や自分の立場に何よりも価値を見出していた。貴様の言動を見るに俺と大差無い環境で育ったんだろ」



何か思い返すように目を伏せるランス君






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