「それにしても、宮内さん転校しちゃうのもったいないわね〜、工藤君も休学中にクラスメイトが転校してたら寂しいと思うわ」








前の席で毛利さんと話していた鈴木さんが寂しそうに声をかけてくる









「いやぁ、私の事なんてあんまり覚えてないだろうけど……」







「そんな事ないわ!新一ったら1年の時結構宮内さんのこと心配してたのよ!」






「それは何だか自分が情けない……けど、転校する前に、毛利さんと工藤君がカップルになってくれて良かった!あまり会えなくて大変だろうけど、幸せになってね!」






せいいっぱいの笑顔で告げる。
やっぱり、自分の好きな人とその好きな人には幸せになって欲しいから……







「ありがとう!ねぇ、宮内さんって江古田高校に転入するのよね?新一が復学したら放課後会いに行ってもいい?」






「それいいね!私も行くー!」






「全然いいよ!こんなことなら毛利さんとも鈴木さんとも、もっとちゃんと話しておけば良かったなぁ」







「これからだって会える距離には居るんですもの、予定が合う時に遊びましょう?あと、蘭で良いよ!マリンって呼んでもいい?」






「私も園子でいーよー!」







「二人ともありがとう。うん、マリンでいいよ。ふふ、何だか変な感じだね」








「2年になってから結構経つもんねー!何か勝手にクラスメイトは卒業までずっと居るって思ってたけど、当たり前だと思っちゃいけないのね、工藤君は休学だし、マリンは転校しちゃうし……」







「寂しいわね……ねぇ、これからは気軽に連絡してきてね?私もするから!」








「ありがとう蘭ちゃん。園子ちゃん。ほんとに最後の最後だけど、こうしてお話ししてくれて嬉しかったよ」








「こっちこそ……ぜったいうちでパーティーやるときはマリン招待してやるんだから!覚悟しときなさいよ!」






「おらー、ホームルーム始めるぞー」









先生が教室に来て、私にとってこの学校で、このクラスで最後のホームルームを受けた。
最後に軽く皆に挨拶をして、寄せ書きを受取り、いつもより少し量の多い、本当に忘れ物の無いよう、教室を出た







蘭ちゃんと園子ちゃんが一緒にポワロという喫茶店で放課後を過ごしてくれたおかげで、私にとって最後の帝丹高校生としての放課後は楽しく終わった。









好きな人の好きな人は、とても素敵で、強くて、優しくて、可愛い女の子
せめて彼女が残酷な人だったら良かったのに……
こんなに良い彼女が居るんだから、ちゃんと大切にしてあげてねって
どこに居るのかも、何をして居るのかも分からない、大好きだった彼に思いを飛ばした







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