授業終了のチャイムを聞きながらチラリと隣の席を見る
当たり前のように、今日も空席
修学旅行で久しぶりに会えたきりで、会えたと言っても挨拶すらできず、遠くで見ることしか出来なかった彼
工藤新一君
女子中からこの帝丹高校に入り、男子と上手くコミュニケーションを取れなかった私に、隣の席だからという理由で気さくに話しかけて上手くクラスの輪に入れてくれたのが工藤君
容姿端麗、探偵をしていることもあってか学力も優秀、おまけにスポーツまでできちゃう優しい工藤君に惚れるのに、そう時間はかからなかった
2年に入ってからも隣の席で密かに運命を感じていたけど、突然工藤君が休学になってしまい、連絡先も知らない私は、とても工藤君が遠くに感じた
1年の頃から、毛利さんが幼なじみということは知っていたけど、修学旅行中に付き合い始めたと噂を聞いて、私の初恋は静かに幕を閉じた
運が良いのか悪いのか、工藤君が復学をする前に、私は引っ越す事になってしまった
遠方に越すわけではないが、自宅と学校の距離が今より出来てしまうので転校も決まってる
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