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でも途中でおかしなことに気がついたのだ


シャンプーを変えた時
スマホのロック画面を変えた時
前髪を切った時
細かな変化にも必ず気がついて声をかけてくれたし


彼が体調を気遣ってくれる時


決まって私は生理だった


最初は気のせいだ、たまたま偶然が重なっただけだって思ったけど
私よりも私の周期を把握してるのか
始まる前だったのに"体冷やさないでくださいね"って声をかけられて
最初は純粋に体調を気遣ってくれていると思ってたけど
帰宅してから始まったそれに背筋が凍った
今では毎月赤葦君からのそれで思い出すくらいだ

今日の前髪だって1cmにも満たない長さを調節しただけで
親もクラスメイトも気づかないレベルなのに
彼は的確に当てた



最初は友人同様好かれてるかもと考えていたが
なんだか通常とは少し違った形の愛を向けられている気がして
もし好かれていることに私が気がついたのだと彼に知られたら
何だか恐ろしい事になりそうでずっと気が付かないふりをしている


友達には考えすぎだと言われそうだし
数%の確率で本当に気の所為の可能性もある
だから無難に気づかないふりをしつづけていた
それなのに、、、



「どいてよ、赤葦君」


「可愛いですね、宮内先輩」


委員会に行ってしまった友達を待っている間暇なので
校舎内をぶらついていると
とっくに部活に行っていると思っていた赤葦と遭遇してしまった
人気のない廊下で



「、、、早く部活に行きなよ?」



「今日は体育館点検の関係で無しになりました」



そう答えるやいなや、突然無言で手を引かれ
近くの空き教室に入り壁に追いやられた


両手を私の顔の横に伸ばして壁につけているし
そもそもの身長差で完全に逃げ場がない



「宮内先輩、俺の気持ち、もうとっくに気づいてますよね?」


「、、、何の話っ、んんっ」



至近距離で真っ直ぐ目を見つめられても気づかないふりをしようとしたのに


無理矢理キスをされた


顔をそむけようにも、いつの間にか壁の間に差し込まれた手に後頭部を固定されて
必死に赤葦君の体を押しても無意味なようで
改めて彼は男の子なんだと嫌という程と思い知らされる


「っは、赤葦くっんっ」



やっと口が離され抗議しようとした口に今度は舌を入れられた
こんなキスした事がなくて
驚いて何も出来ないでいる私の口の中を撫でるように舌を回され
自然と溢れた唾液が顎を伝う



やっと口を離した赤葦君はゴクッっとどちらのものかわからない唾液を飲み込んで
私の額にそっとキスをした



「嘘みたいだ、、、宮内先輩と、、、、」


「っ、」



突然の事に動けないでいると
頭を優しく撫でられる



「俺からは逃げられませんよ」



そう言われて、赤葦君は私の変化に敏感だった事を思い出す


私が彼の好意に気づいていた事は
彼もとっくに気づいていたのだ



きっと、無理矢理だったのに優しかったキスに動揺している事もバレているんだ



何も言えない私にふっと笑って


今度は触れるだけのキスをされた




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