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「、、、、なぁ宮内」
「、ん?」
「俺と付き合わない?」
「、、、えっ?」
「いやさ、男の傷は男で埋めろって言うじゃん?」
「えっ、でも、それじゃ黒尾を利用するみたいじゃん」
少しずつ冷静になってきた頭で何とか言葉を発すると
いつも髪型の違う頭をガシガシとかきながら黒尾は私の目を見つめた
「利用されても良いくらいずっと好きだって言ったら、宮内は困る?」
「えっ??」
「いやぁ最初はさ、宮内が楽しそうに相談してくるから応援しようと思ってたんだが、やっと俺にもチャンス回ってきたなって」
「いっ、いつから、、、?」
「んー、あんま覚えてねぇけど1年の冬辺りにはもう意識してたかな、宮内のこと」
「ででででも、私には黒尾、もったいないよ」
「んなことねーよ。、、、弱ってるトコに付け入れさせてくんない?」
私は悪くないような言い回しをする黒尾がズルい
「わっ、私、めんどくさい女だよ?」
「俺にとっては可愛いけど?」
「うっ、、、な、泣き方のレパートリー多いし」
「はっ、そーだな」
優しく笑う黒尾に鼓動が早くなる
自分の単純さに嫌気が差すけど
そんな私の事も理解してくれてる黒尾には
きっと何を言っても自信ありげにポジティブな言葉に変換して返してくれそう
「その、、、黒尾に縋ってもいいの、、、?」
「おーどんとこい!傷も埋めるし傷付けないよう努力もします」
いつもの調子でそう言う黒尾に甘えたくなってしまう
「じゃあ、、、その、、、」
「待て待て!俺に言わせてくれ!」
「えっ」
「ゴホン、、、、宮内、俺と付き合ってください」
さっきまでのいつもの調子を消して
まっすぐ見つめられて頷いてしまう
「よ、よろしくお願いします」
「ハハッ!おぉ!」
そう言って笑った彼は私に手を伸ばしてきたが
鬼の形相で走ってきた夜久君が現れて引っ込められた
夜久君は一瞬私達を見るなりスッと表情を変えたが
連絡くらいしろ!!と怒りながら黒尾を引きずるようにして連れてった
申し訳無さと先程までの会話の衝撃で
単純な私の頭は黒尾でいっぱいになってしまった
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