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「彼女居ないって言ってたのにぃ、、、」
「まぁまぁ、何か事情があったんじゃねぇの?ほれティッシュ」
号泣している私にポケットティッシュを恵んでくれてる彼は
よく面倒くさがらずに話聞いてくれるなと
色んな感情が脳内で暴れている中ふと思った
「ぐろおがやざじいぃぃ」
「あー!何でもっと泣くんだよ、目腫れるぞ!」
2年の時から私のうじうじした恋愛相談に乗ってくれていた彼は
結局想い人に彼女が居て失恋した私を見放さずに話を聞いてくれる
「気にっ、せずっ、部活っ、行ってっ」
「おまっ、泣き方のレパートリー豊富か!!、、、こんな状態の宮内置いていけねぇよ」
「うぅううう、黒尾が優しいのが辛いぃ、、、何で彼女いないのぉ、もったいないよぉ」
止まることない涙をティッシュで拭かれながら
ずっと思っていた事を聞くと
黒尾はティッシュを持った手を止めて
チラリと私を見て笑った
「、、、さぁ?何でだろうな」
「黒尾いい奴なのに、神様って厳しいね、、、」
「、、、そうだなぁ」
寂しげ笑ってにそう言う黒尾は
器用にティッシュをゴミ箱に投げ入れると
その手を私の頭にポンポンっと優しく乗せた
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