「その色いいね」


「えっ?」



休み時間、友達の席に向かおうと立ち上がると
隣の席の赤葦君がこちらを見ていた


何の色だろうと思って首をかしげると
男の子なのに綺麗な指先で
赤葦君は自分の唇を指した



「リップ?前の色も良かったけど、今してる方が宮内さんぽいなって」


「え!そうなの!新しくしたんだ!ありがとう!」



自分でも忘れていたが
昨日の放課後友達と買い物に行って
気になっていた少しお高めのリップを購入したのだ


朝は気分るんるんで登校したのにすっかり忘れてた



お礼を言うと微笑んでくれた赤葦君に笑い返して友達の元へ行く


ぼーっと座ったままこちらを見ていたので
赤葦君とのやり取りを見られていたらしい


何だか恥ずかしい



「マリンさぁ、」


「ん?そう見て!昨日買ったやつ!!」


「いやそうじゃなくて」


「??」



座っている美咲の元に行くとちょっと小声気味に口を開いたので
同じく美咲の元にやって来たまどかと目を見合わせる



「赤葦君って絶対マリンの事好きだと思うんだけど、、、」


「、、、えっ!ないない!隣の席だから色々気づくんだと思うよ!」


「ちょっとマリン声でかい!、、、でも確かに、一緒に買い物行ったうちらはともかく、マリン自身も忘れてたのにリップ変えたの気づくの凄いよねぇ」


「そう!男子なんて髪切っても気づかないのに、リップの色変わったの気づくの凄いし、なーんかマリンには他の子より優しい気がするんだよねー、、、」


「いやっ、ほんとに、私なんかの事そういう目で見てないと思うよ!他の女の子にも優しいと思うし!」


「いやいや、他の女子にも優しいけどそれ以上だって!マリンに対する態度!しかも他の人居ても隠さないし!!これで違ったらとんだ思わせぶり野郎だって!」


「うんうん、これでうちらの勘違いだったらまじでごめんだけど、絶対気があると思うなぁ赤葦君」



美咲とまどかにそう言われて急に意識してしまう
これから赤葦君とどう話をしたら良いか2人に聞きたかったのに
休み時間が終わるチャイムが鳴ってしまった



「実は株が上がると思ってそうしてたんだけどさ」


「、、、うん?」



先生がまだ来ていなかったので慌てて自分の席に戻ると
隣の赤葦君が前を向いたまま話しかけてきた



「他の女子にも優しくして欲しくなければ、しないよ」


「えっ?」



そう言ってこちらを向く赤葦君は優しく微笑んでい


もしかしてさっきまでの話、聞こえてた、、、?



「次の休み時間、2人で話せないかな?」


「っ、はい、、、」


「ありがとう」



赤葦君の方を見れなくなってしまい思わず視線をそらすと
多分私と赤葦君の話が聞こえていたのか
前の席の田島くんがこちらをチラリと振り返った


友達にLINEでどうしたら良いか聞きたかったのに
すぐに先生が入ってきてしまった


授業が終わったらどうしたらいいの、、、




[ 55/74 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



×
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -