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ぱっちり開いた女子の目と至近距離で目を合わせ
肩を揺らすのをやめると、サムの不機嫌が増した
なるほどそういう事



「なるほどなサム〜〜」


「お前だから言わんかったんや」


「何で俺には言わんねん!」 


「あ、あの!」


「「!!」」


「私が焼いたマドレーヌで良ければ、少しおすそ分けしましょうか?」


「宮内さんそれはアカン」


「ええの??宮内さん!」


「お前が宮内さん言うなや」


「言うたらアカンのかいな、、、お名前は?」


「宮内マリンです、、、」


「マリンちゃんな!ご馳走になります!」


「お前が名前で呼ぶなや!」


「お前も呼んだらええやんか!!」


「それは、なんか、アカンねんて!」


「純粋か!!」



マリンちゃんの肩に手を回して教室に向かおうとすると
サムに頭を強めに引っ叩かれ、顔に1000円札を押し付けられた



「名前は呼べへんのに、手は繋ぐんかい」




女子かマドレーヌどっちを奪われることを危惧したのか知らんが
余程慌てたのか飲み物も買わずにマリンちゃんの手を引いて行ってしまった



「何してん」


「おぉ角名、お前知っとったかマリンちゃん」



叩かれた頭を擦りながら双子の片割れの背中を見送っていると角名が現れた
そういやサムはこいつと飲みもん買いに行っとったんじゃ、、、



「まぁ同じクラスなったし知っとるけど、、、まさか侑、宮内さんにちょっかい出したん?」


「ちょっかいも何も、かわいいね〜言うて名前聞いただけやんか」


「何でそんな状況になるんか知らんけど、あんま宮内さんにちょっかい出すなよ、うちの女子達に消されるで」


「こわ、なんでなん」


「まぁそれで治もガードされとるし」


「俄然興味湧いたわぁ、マリンちゃん!」


「そういうとこやぞ、侑」




角名に脅されたが、サムの弱みを知れた気がして思わずニヤける
心が踊るとはよく言ったもんや



まさかサムだけにちょっかい出すつもりが
たまたま出会ったマリンちゃんにちょっかい出す事になるとは
この時の俺も角名も知らなかった



「何で俺も入れんねん。あ、ツッコんでもーた」



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