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「治君、これおにぎりのお礼です。治君のおにぎりほど美味しくないと思うけど、、、」


「宮内さんの手作り?もろてええの?」


「うん!治君に作ってきました!」



その翌日またおにぎりを渡そうと朝練後宮内さんの席に行く前に
宮内さんが俺の席に小さい紙袋を持ってやって来た



「、、、!カヌレや!!これって作れるんか!?」


「お店のみたいに美味しいかはわからないけど」


「今食べてええ?」


「えっ、今??ど、どうぞ、、、」



先日はおにぎりお昼まで我慢なと言っておきながら
自分は即食うんかいと脳内でツッコミしつつ聞くと
いつもニコニコしとるのに、急に不安そうな顔になったのが可愛らしい



「うっま、、、」


「ほんと!?お口に合ったなら良かったです!」


「サクフワやん!また作って!俺のおにぎりと交換な!」


「ちょっと時間ない日は作れないかもだけど、また治君のおにぎり食べたいから作ってくるね」


「それは気にせんで、宮内さんが俺のおにぎり食ってるの見るのが好きなだけやから」



思わず流れで口を滑らすと、宮内さんの顔が赤くなった
愛らしい



「治!何食うてるん!」


「マリンちゃん手作りのカヌレや」


「ズルい!うちも食べたい!」


「うちも!」


「俺も!」


「ごめんね、治君に渡した袋に全部入れてあるの」


「何やて、治!よこし!」


「何や急に!これは俺がもろた分や欠片もやらん!」


「小さい男やわぁ」


「ほんまそういうとこやで」


「お前らなんやねん最近!」




いつもの女子どころか近くの男子にもカヌレを奪われそうになり
阿呆らしく椅子に立って死守している姿を見て笑う宮内さん



愛らしい姿を供給される為に毎日余分におにぎりを握る俺は
逆に宮内さんに餌付けされとるんかもしれない




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