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「!!オヒサシブリデス、、、」



菅原さんに連れられたのは宮内の隣だった
宮内らしい柔らかい雰囲気の中に少し大人っぽい服装も相まって
あまり直視出来ずに緊張する



「テレビにも雑誌にも載ってるし、もう有名人だね!」


「いや、、、あざす」



久しぶりの会話でぎこちなくなっている俺にも気にせず会話を続けてくれる
性格も変わってないようで安心しているのに
高校卒業と共に抑え込んだはずの気持ちが溢れてきて鼓動が早くなる



「!!」



対面で西谷さんと話している菅原さんと目が合うと
口パクで『め し さ そ え』と言われた



高校3年間部活でほぼ毎日会っていた時ですら
タイミングがわからず、そもそも何をどう伝えればいいのかわからず隠していた為
どう誘えばいいのか悩んでいると運ばれてきた唐揚げの皿を宮内が受け取った



「影山君唐揚げ食べるよね?」


「、食います!」


「ふふ、レモンかける派?かけない派?」


「宮内は?」


「私最近かける派になったけど、無くても気にしないよ!」


「じゃあかけるで」


「はーい!」


「あの、宮内」


「ん?」


「良ければ今度飯、食いに行きませんか?」



色々考えたが結局どう誘うのが正解かわからず
食べ物の話をしている流れでストレートに言うことにした
菅原さんからの視線も痛かったし



「もちろん!でも影山君、忙しいんじゃない?」


「オフシーズンは割とスケジュール空いてる」


「そっか、じゃあ影山君のトレーニングの邪魔にならない日に是非」


「あざす!」



にこりと笑いながら取り分けた唐揚げを渡してくれる
言ってみればこんなにもスムーズに行くもんなのかと
高校時代の自分に知らせてやりたい


「あ、影山君LINEとかとくに変えてないよね?グルチャ居たし」


「変ってない、、、宮内にLINEすれば良かったな、、、」


「高校卒業してから会うことなかったもんね、私も影山君の試合テレビで見たよって送れば良かったなぁ、、、これからは送っても良い?」


「い、いいんすか?」


「そんな大した感想送れないかもだけど」


「待ってる。俺からも連絡、していいすか」


「うん!もちろん!」




嬉しそうに微笑まれて胸の奥が苦しくなる
レモンの爽やかな香りのする唐揚げを口にいれて前を向くと
ニヤリと笑った菅原さんと西谷さんと目が合った
俺ってそんなわかりやすいだろうか、、、



その後2時間のコース終了と共にお開きになり
二次会も特になかったので帰宅することになった



「送れなかったなー」


「!!飯行く約束はできたんで、あざす」



呼んだタクシー待ちをしていると、酒が入って顔が赤い菅原さんに肩を組まれる
谷地さんと日向と帰る方向が同じということで
宮内は2人と一緒にタクシーに乗って行った



「おー、いつでも相談乗るからなー」


「助かります」


「にしても影山、この前イケメンセッターってテレビで言われてたのに、もしかして彼女いたことない?」


「、、、、悪いっすか」


「いやいやいやいや、お前すげーよ!めっちゃ良いことだべ、一途って!絶対付き合えよ??」


「あざす!!」



バシバシ肩を叩かれたが、こうして長い片想いと向き合えたのも菅原さんのおかげなので
肩を組まれたまま頭を下げる


バレーもそうだが、烏野で出会った先輩達のおかげで俺の人生は良い方向に変わった
俺自身も変われたと思う




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