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「おー揃ったな」



久しぶりに聞く澤村さんの声と共に
歓談していた口を閉じる



「たまに会ってる奴もいるけど、今日は卒業してから久しぶりの集まりだし、ほどほどに飲むぞ!」



「「「「「おー!」」」」」



居酒屋の個室で高校1年の時のバレー部同期と先輩達と懐かしい面々での食事会
たまたま都合がついたので参加して良かったと1人考えていると
隣に菅原さんが腰掛けた



「ほどほどにって、大地らしいよなぁ」


「ですね」



各々タッチパネルで食べ飲み放題のメニューから注文をしていく
ふと視線を先にやると扉付近の席で女子が3人固まって話をしていた




「影山、宮内の事好きだったよな〜」


「なっ!?んで知ってんすか!?」



俺の視線の先を辿った菅原さんが小声で楽しそうに言ってくる
誰にも言わずにいたはずなのに、何でバレてんだ、、、



「だって影山わかりやすかったべや〜。多分宮内以外は察してたぞ、てか告らなかったのか?」


「ぐっ、、、ないっす、、、」


「うっわまじか!、、、もしかしてまだ好きなの?」


「、、、、、、」


「お前ってほんと一途だな〜、バレーもずっと続けてるし」



何も言い返せないでいると感心したような声をあげながら肩を叩かれた



「よっし、じゃあ今日は先輩に任せなさい、あんま酒飲むなよ!」


「??ウス」



元々アルコールは摂取しないつもりだったので
とりあえず次々運ばれてくる食事に手をつけた



頼みすぎた料理を前に日向に怒る澤村さんや
酒を飲んですぐ顔が赤くなる東峰さん
それを見て笑う菅原さんの感じがとても懐かしいのと
高校時代と違ってバレー以外に仕事の話や結婚話等
大人になったと実感するような会話もあって新鮮だ



「そろそろ席替えするべ〜」


菅原さんの合図で全員めんどくさそうに立ち上がりつつ
何だかんだで移動する面々に釣られて俺も足を動かそうとすると



「影山はここな」



と菅原さんに腕を引かれた



「影山君、お久しぶりだね〜」




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