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食休みでソファに座り直して一緒にテレビを見る
最初は嫌がられたが深く腰掛けている俺の足の間に座らせて後ろからマリンを抱え込むようにして見る
一緒にゆっくり出来るのが久しぶり過ぎて抱きしめる腕に力が籠もった
「そんなにシートベルトしなくても逃げないよ」
「誰がシートベルトだ」
「それにご飯食べた後だし飛雄くんが温かいし、また寝ちゃいそう、、、」
「ベッド運んどく」
「やだ、行ってらっしゃいしたい、、、」
可愛過ぎて結婚出来たのが奇跡以外に信じられない
元々バレー以外、勉強どころか人間関係も上手く出来ずに居た俺に
こんなに可愛い嫁が居るのもバレーを続けてプロになれたのも、全部烏野高校で出会った先輩達や監督のおかげに違いない
チラリと時計を見ると流石にそろそろ準備しないといけない
もう一度強く抱きしめて深く呼吸をしてからマリンを解放し自室に向かう
洗面所からいつの間にか自室に移動していたバッグに感謝しながら
持ち物の確認をしているとパタパタとスリッパの音が聞こえてくる
開きっぱなしの扉からマリンが顔を覗かせた
「これ、お腹空いたら食べてね」
「さんきゅ」
おにぎりが入っているであろう手渡された小さな保冷バッグをバッグに入れ
一緒に玄関に向かう
「、、、」
「なーんで不機嫌なの」
「、、、別に」
バレーが好きとは言え、マリンとの時間も好きなので1人葛藤していると
人の気を知ってか知らずかニコニコしながら両手で俺の頬を挟まれる
「いってらっしゃい、気をつけてね」
「!!!!!」
背伸びしたと思ったら両頬を触っていた手が頭の後ろに回り、引かれたと気づいた時には軽く触れるだけのキスをされていた
「クッソ、」
「んむっ」
「好きだボケ!!行ってきます!!!」
反撃のつもりでキスし返したが、謎の恥ずかしさのせいで声がデカくなる
ニコニコしたマリンが扉を閉めるまで手を振っていたのですら可愛かったので
次の遠征は絶対マリンも連れいこうと誓ってエレベーターのボタンを強めに押した
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