1
まただ…
「宮内さん、またネ」
「月島君、またね!部活頑張ってね〜」
「、、、今日は静かだね山口」
「つ、ツッキー!部活行こう!」
いつの間にか目の前に来ていたツッキーに動揺したが、ツッキーは特に気にせず歩き出した
俺はチラリと先程ツッキーがわざわざ帰りの挨拶をした子を見ると
ニコニコとした表情で俺達を見送っていた
そう、ツッキーがわざわざクラスメイトの、しかも女の子に自分から帰りの挨拶をしたのだ
しかも優しい表情で
「ツッキー!最近宮内さんと仲良いね!」
「やっと口を開いたかと思えば第一声がそれ?」
「ぐっ、、、」
確かにいつもなら俺が勝手に色々話して、ツッキーにうるさいと一蹴されるが
気になり過ぎてそれどころじゃない
そう、宮内さんの件だ
つい先日までは、ツッキーがよく話してる子って印象くらいで
珍しいなとは思ったけど意外とクラスメイトとはよく話すのかなって思ったら
どうやら宮内さん以外の女子とは最低限しか話をしていないし
何なら顔も見ずに受け答えをしている
もしかしてと思って部活に一緒に行く時や、教室の前を通った時に様子を伺うと
ツッキーから声をかけてる事のが多いし
ちゃんと顔を見て話しているし、表情も言葉遣いも他人へのそれと違って柔らかい
この前なんて頭を撫でていたから、近くのクラスメイトも驚いていたのが見えた
結局俺の話の続きをする気はないみたいで
とくに会話をすることもなく部室に着いてしまった
[ 23/74 ]
[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]