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お互いコンビニのビニール袋を手に持ちながら
暗い住宅街を歩く

カサカサと袋が揺れる音と、お互いの足音しか聞こえなくて
何だか緊張するし気まずさも感じる



「ほい、宮内ちゃんこれ好きでしょ?」


「えっ!ありがとうございます、、、!」



黒尾先輩がガサガサとコンビニの袋から取り出したのは
私が好きなサンリ◯キャラクターズチョコレートだった

小さい頃から、スティックに付いたただのチョコレートだってわかっているのに
毎日欠かさず食べている。



「何で私がこれ好きなの知ってるんですか?」



疑問に思ってそのまま先輩に聞くと
黒尾先輩はあ〜と少しバツが悪そうな顔をした


「研磨から聞いて、、、」


「そうだったんですね!ほんとに頂いて良いんですか?」


「どーぞどーぞ。こんな遅くにお遣いしてる宮内ちゃんへのご褒美です」


「ありがとうございます、、、。でもこんな遅くまで部活頑張ってる先輩にもご褒美、、、電池とか要らないですよね?」



遅くまで部活をしている上偶然会った後輩を家まで送っている先輩こそ
ご褒美を貰うべきなのに、あげられるような物を持っていなくてダメ元で聞くと
先輩はぶはっ!っと吹き出して顔を隠しながら肩を揺らした



「宮内ちゃんっ、それはずるいって、、、」


「す、すいません、、、」


「あー笑った、じゃあご褒美として俺欲しい物あるんだけど」


「!!なんですか!」


「宮内ちゃんの連絡先教えてよ」


「えっ、れ、、連絡先ですか?」


「そ!LINE知りたい!」



正直何でだろうと色々理由を探すけど、孤爪君関連で何か連絡が必要になるかもな。と自己解決して
立ち止まってポケットからスマホを取り出す
黒尾先輩も立ち止まって私のスマホケースを見て口を開いた



「宮内ちゃんハンギョ◯ン好きなんだ」


「このゆるい感じの表情がツボで、、、」


「ゆるい感じねわかる〜っと、ありがと!迷惑にならない程度に連絡すんね!」


「は、はい。あっ、うちそこです」


「まじで?通り道だったわ!またタイミング合ったら一緒に帰りましょ。また学校で〜」


「あっ、ありがとうございました!お気をつけて!」



手をヒラヒラさせながら歩いていく黒尾先輩
もう少し見送った方がいいかな、、、と悩んでいると
パッと黒尾先輩が振り向いて、まだ外に居る私に気がついてニヤッと口角を上げた後
恐らく入って入って!とジェスチャーで伝えられた
慌ててお辞儀して家に入ると
さっきLINEに追加したばかりの黒尾先輩から、ハンギョ◯ンのおやすみスタンプが送られてきた


同じスタンプを持っていたので同じように送り返す
最後は無言のやりとりだったのに、なぜだか少し楽しかった


数時間前まではどう接したら良いのか悩んでいたのに
少し苦手意識が薄れたように感じるのは
さっき貰ったチョコレートのせいかもしれない




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