「今度の日曜な、バレー部の練習試合観に行くんやけど行かん??」
「えっ!絶対行く!侑君出るやんね?」
「当たり前や、うちのバレー部で侑出らんかったら終わりやで」
クラスの女子がバレー部の話をしていてつい視線がそちらに向く
「、、、宮内さんも来るん?」
思わず俺が声をかけると
先程話していた2人と
2人に囲まれながらニコニコしていた宮内さんが俺を見る
「治やなくて侑君のが気に入るかもなぁマリンちゃん」
「侑君?この前自販機の前で話した治君と双子の人?」
宮内さんにそう聞かれて
あの日思わず手を繋いでしまったのを思い出して顔に熱が集まる
「そう、何や日本バレーのジュニア何たらに選ばれたり、凄いんやで侑君!」
女子がツムの話ばかりでもいつもは気にならんのに
宮内さんの居る場だとなんやモヤるな
先程顔に集まった熱が一瞬で引いた
「そうなんだね!バレーしてる治君見てみたいし、私も行こうかなぁ、、、」
「ほんま???試合終わりに丁度宮内さんのカヌレ食べたいなぁ思っててん」
「ちょけてるん?二兎追うもんは何たらやで治、マリンちゃんかカヌレかどっちかにしとき!」
「お前さっきからてきとーやな」
来て貰う口実を作ろうとすると
すかさず雑な指摘を受けた
「わかった、カヌレも作って行くね!」
「ほんま!」
「うん!」
「ほんまええ子やなぁマリンちゃんは。治にはもったいないわぁ」
女子にムカつく事を言われても
宮内さんの笑顔を見たら何も気にならない
だいぶ自分も重症やと自覚しながら
ニコニコ嬉しそうに笑う彼女を見つめた
[ 73/74 ]
[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]