大坪視点






「ちょ、大坪さん、宮地さんどーしたんすか?」




「あぁ、あれか.....」






そのうち誰かしらにツッコまれるだろうと思って覚悟はしていたが、






あからさまにがっくりと肩を落として、俯いたままシュートをして外し、また落ち込む
という作業を繰り返している友人の姿にため息が出る






「ま、まさかっ、宮内ちゃん絡みですか??」




勘のいい一年に、再びため息をつきながら頷く




「あぁ、何でも日曜に宮内が合コンに行くらしい」



「えっ?まじすか!?」




「何だ、お前も聞いてなかったのか」




「うっわぁ、なんか寂しくなっちゃった.....真ちゃーん!真ちゃんマリンちゃんから何か聞いてる?」




「ばっか、高尾、声でけーよ!」




木村が慌てて駆け寄ってくる







宮地は......宮内の名前に反応してこちらをじぃっと見つめてきている






「うるさいのだよ高尾......誰に誘われたかくらいしか知らないのだよ」





「えっ、えぇ〜真ちゃん知ってたの!?」




「緑間てめぇ、誰が宮内誘ったのか教えろ。そいつ殺す!」




「ちょw宮地さん目がマジwwwwあだっ」





緑間の言葉に宮地が高速で駆け寄ってきて、高尾の頭を殴った





「.....黄瀬、なのだよ」





「「「「は?」」」」






今日はよく驚きの声がかぶるな、とか思っているあたり俺はまだ冷静なのかもしれない






「黄瀬って、真ちゃんと同中の?」




「それ以外に黄瀬と言う奴を知らないのだよ」






相変わらず偉そうな緑間にイラッとしつつ、宮地の顔を見て再び冷静になる






「黄瀬殺す」




「いやいや宮地さん、黄瀬ってあのキセリョっすよ?モデルっすよ?」





「くっそ....どうすりゃ良いんだ....」





「ちょ、宮地さんのキャラがwww」





「日曜は珍しく部活が休みなのだから、見に行けば良いと思います」






緑間の言葉に、プルプルと震えていた宮地が動きを止める






「よし、お前ら.....」




「ちょ、宮地さん?なんかその笑顔怖い」





高尾の言葉に頷きたくなる





よく物騒な言葉を笑顔で口にする奴だが、ここまで恐ろしい笑顔は見たことがない






「日曜は合コン見に行くぞ。緑間案内よろしくな?」





「.....はい」







小さくなりながらも頷く緑間に満足したのか、宮地はいつも通りに練習を始めた






本調子になってくれたのは嬉しい、






嬉しいが.......






何だこの胃の痛みは......














その日の夜、宮地から送られてきた日曜日の待ち合わせ場所と時間のメールに、





再び大坪の胃が悲鳴をあげた事は、






彼自身しか知らない






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