約束の時間より30分も早く着いてしまった
会社の入り口から少し離れた所にある、カフェテラスで待つことにした
コーヒーを受け取って席につき、道路を走る車を眺めていると、横から声をかけられた
「あれー?マリンちゃん?」
「ライアンさん、お疲れ様です!お仕事今終わったんですか?」
彼は最近シュテルンビルトにやってきたヒーロー、ライアンさん
「そーそー。いつも可愛いけど、今日はとびきり可愛いじゃん!どうしたの?まさか、俺を誘いに来た?」
いつも通り余裕たっぷりの表情で話してくる彼に微笑みながら、
もうすぐ出てくるであろう彼の名前を口にする
「違いますよ。バーナビーさんと約束があって、ここで待ってるんです」
「へぇー。ジュニア君が....え、2人は付き合ってるの?」
「はい。半年位前に私から何度も告白して、やっとOKして貰えて、今日久々に....えっ?」
ライアンさんに話している途中で、見慣れたものが視界に入り、思考が停止する
赤いスポーツカーが止まり、彼は駐車場に寄ってから来たのか、と思っていた矢先、
車から降りて、アポロンメディアから出てきた美しい女性を紳士的にエスコートし、助手席に乗せる。
そのまま彼が、少し周りを見渡して、私と目が合う
「な...んで....っ?」
すぐに視線を逸らして社内に乗り込み、
走り去ってしまった....
私の肩に手を置いて、ライアンさんが何か言っていたが聞こえなかった
やっと状況を理解できた時には、私は走り出していた
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